突然始まった車イス生活が想像以上に不便だった話
「息子さんは今日から歩いてはいけません」
お医者さんからある日突然そんな事を言われて、突如はじまった闘病生活。
今日は、ごく普通に過ごしていたわれわれ家族が突然車イス生活をはじめることになり、そこで遭遇した想像以上の不便さをシェアしてみたいと思います!
当時5歳の長男が「ペルテス病」を発症しました。この聞きなれない病気、あの口によくできる「ヘルペス」が浮かびましたが全然そんな軽いものではなく、なんらかの原因によって股関節の骨に血液が行き届かなくなり、骨がつぶれてしまう病気だそうで…。闘病中の詳細について改めてお話したいと思っていますが、それから私たち家族の生活は一変。車イスが必要な生活がスタートしました。
今まで元気そのもので不自由な生活とは無縁だった私たち。当事者になってみないとわからない困難に色々と直面してしまいました。
車イス生活で感じた「こんなに不便だったの!?」集
ベビーカーの時にも感じましたが車イスだとさらに痛感してしまったのが、まだまだバリアフリーの環境が整うためには課題が大ありだということ。普通の生活をしているときには何の気にも留めていない問題でした。
1.通りたくても通れない
「通れない。」これが車イス生活で一番困った。屋内がとにかく通れない。どのお店も通路が狭い。特に薬局や銀行なんかも狭い。思っているより狭いんです、車イス界隈には笑。買い物に子供を置いていくわけにもいかず、みなさんの通行の妨げになってごめんなさいと気まずくなる日々。対人の面では本当に人のやさしさに助けられました。施設や設備についてはスペースをもう少し広くしてもらえると全然世界が違うなと感じました。
2.エレベーターが足りない
車イスってかなり重いので、階段もエスカレーターも使えないからエレベーターしか乗れないんですね。今は高齢者の方なども多いからエレベーターにそもそも1回じゃ乗れないことも多く、駅の長いホームにエレベーターが一か所しかない場所も多くて、行きたい場所に行くだけで一苦労!どなたか偉いかた、エレベーター増やして~。
3.駐車場の障がい者スペースは大事
今まですみませんでした。車イスを利用するようになって初めて、身体障がい者用の駐車スペースがこんなに助かるものだと分かりました。車イスって大きな車輪と手すり?(車輪を漕ぐやつ)が付いてるので幅を取ってしまって、スペースがないと車イスが降ろせない!恥ずかしながら、ふだん駐車場が満車のとき、お店の入り口のすぐ近くにあって、広々スペースが使える車イススペースを使いたくなる気持ちになることもありましたが、あのスペースしか使えない人がいるんだなということを身をもって実感しました。
4. 見られることにそこまで耐性はない
外出すると、いろんな人がこちらを見ます。普段生活していて見た目は元気そのものな男の子が車イスに乗っていたら無理もないかもしれません。好奇心や興味で無意識に見てしまうのはもちろん分かるんですが、度を越えてジロジロ見てくる人(しかも大人)がたまにいましたね。一見全然気にしていないように振舞っていますが、実はめちゃめちゃ周りの視線や言葉を感じています汗。私は親の立場なので、子供が傷つく出来事が起こらないように警戒心MAXです。「うう、そんなに見なくてもいいのに…」と思う反面で、「私も誰かを無意識に傷つけてしまうことがあったのかも」と気づくきっかけにもなりました。
少し知るだけで優しくなれるかも
突如としてはじまった車イス生活を経験して感じたのは、私たちが想像している5倍、不便な生活をしている人たちがいるということ。ちょっとした気づきや思いやりがあれば、周りの弱い立場の人をもっと助けられるはずだと気づきました。
息子の病気は幸い治る病気なので、いつかは車イスが必要なくなる日が来る予定です。また今まで通りの生活に戻ることになるわけですが、これからも続く車椅子ユーザーや同じような立場の人たちの生活が少しでも過ごしやすいものになってほしいと強く願うようになりました。
一人でも共感してくださる方や関心を持っていただけた方がいればうれしいです。
最後まで読んでいただいてありがとうございました。