予定通りじゃあなかったクリスマス
クリスマス イブにここで待ち合わせた
大勢の人が行きかう
この街の
ランドマークの前
ショッピングモールから
クリスマスソングが聴こえる
定番の山下達郎からマライヤ、B'z
次々と入れ替わる曲
待合わせの時間が過ぎたのに
現れない彼
待ち合わせのひとが
次々と消えていく
楽しそうな笑い声を残して
周りの風景だけが
目まぐるしく変わる
どこかで
救急車のサイレンの音
胸騒ぎがする
寒くなってきたと思ったら
雪が降ってきた
どうしよう
来ない
連絡もない
不安が大きくなり
心臓の鼓動が大きくなる
ドクドク
バクバク
ごめん
遅くなって
その声を聞いた瞬間
わたしは大声を出して泣いていた
わたしの不安と安心が
涙と一緒に溢れ出た
彼は
こちらに向かってる途中に
具合の悪くなった妊婦さんと遭遇して
介抱して、救急車を呼んだらしい
わたしに連絡しようとしたら
スマホの電池切れになったみたいだ
彼は
大きなバラの花束を抱えていた
ちょっと汚れた包装紙
きっと、妊婦さんの世話をして
汚れたのだろう
彼の
そういうところが好き
誰に対しても優しく
思ったらすぐ行動する
彼は
ごめん予定通りに行かなかったけど
今日は
コレを渡したかったんだ
ゆみちゃん
俺と結婚してください
花束と指輪を
わたしの前に差し出した
その場にいた人が
おめでとうと手をたたいた
私たちのまわりに
拍手の輪が広がった
不安と涙のあとに
素敵なイベントがあった
今日からこの日は
特別な日になる
Merry Christmas
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