そのカフェにあるモノ
そのカフェにあるモノ
そのカフェには
大きな窓があり
外側に向かって
座るタイプ
キッチンは真ん中にあって
四角の一角は扉で
あとの三面が窓
おひとりさまには
快適なカフェである
しゃべりごえは注文の時だけ
低い声の年齢不詳のマスターが
ボソボソッと喋るので
注文する方も同じトーンになる
お店に流れる
インストゥルメンタルの小さな音色と
コーヒーのできる音
食器のなる音
対面のテーブルがないので
隣同士で喋ってる人たちも
なんだかひそひそ声
ガラスは二重ガラスなのだろう
透明度高いのに
外の喧騒は聞こえない
聞こえないけど
無声映画の様に
景色は変わる
ここで飲む珈琲一杯が
さっき迄、忙しくして
仕事を終えた後の
気持ちの切り替える時間
リセットする短い静かな時間
今日は、夕立の予報
ゴロゴロ鳴ってきた
お店は相変わらず静か
光る雷
稲妻の美しさ
自然現象の脅威
ひとりで見る稲妻は怖いけど
ここで見る稲妻は美しい
音は窓の外
遠くてゴロゴロ
窓枠の中の稲妻は
絵画のよう
雷が落ち着くまで
熱い珈琲を飲もう
カフェにあるモノ
それは
珈琲と
心地よい音たちと
止まったままの古い時計と
時を忘れる不思議な空間
#One scene to imagine
#想像するワンシーン
#いつかのワンカット
#小さなエピソード
#STORY #ストーリー
#ショートストーリー
#ものがたり #物語#小説
#いちばんすきなひと
#スキしてみて
#珈琲 #大きな窓#止まったままの時計#落雷
#そのカフェにあるモノ
この記事が参加している募集
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?