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#2 ガーゼの肌掛け

「だから私はこれが好き」とは
自分の好きなものについて語るだけの、ゆるいエッセイを集めたマガジン。

第2回目となる今回は「ガーゼの肌掛け」について綴ります。

今使っているガーゼの肌掛けとは、10年近いお付き合いになる。もう何回洗濯しただろう。肌触りは、くたくたで、よれよれだ。

ぐるりと一周擦り切れていて、正直見た目はパッとしない。今日にでも買い替えたっていい状態。だけど、どうしても手放せないのだ。

枕カバーやシーツと一緒に、週1ペースで洗濯する。洗い立てのキミは、少しぱりっとしていて、よそよそしい。

たとえるなら、数年ぶりに会った同級生のような。でも、洗ってから2日目に入るころには、いつものしっとり柔らかな肌触りに戻る。「おかえり」って言いたくなる、おなじみの風合い。

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今でも思い出すのは、初代ガーゼの肌掛けの存在だ。小学生の夏休みの恒例行事である、家族旅行にも持って行った。

車内で居眠りするとき。
ホテルで寝るとき。

環境の変化が苦手で、旅行に行くとすぐに疲れてしまう私にとって、ひとつだけでも「いつもと一緒」があるのは、心強くて安心だった。

ガーゼの肌掛けは欠かせない。旅先で会いたくなるのは、間違いなくキミ。もしも今愛用しているガーゼの肌掛けに限界がきたときは、「ハーフサイズに切り、縁を縫って持ち運べるようにしようかな」と本気で考えている。

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今夜もガーゼにふんわり包まれながら、心を満たす。「しあわせだなあ」ってつぶやきながら。うーん、やっぱりまだまだ手放せないや。

だから、これからもお世話になっていいですか?


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