発達障害児を育てている夫婦の離婚率は高い?ー我が家の場合


なにかで読んだのだけれど、発達障害児の親は離婚率が高いとか。ソースはありません。でも体感としては、うんうんそうだろうな、という感じ。

夫と私の現在の夫婦仲は、はっきりいって「悪い」。ほとんど会話もないので「悪い」も通り過ぎたレベルか。

さて、なぜ発達障害児をもつ夫婦の離婚率が高いなんて言われるのか。

パートナーも発達障害である可能性が高い

発達障害というのは遺伝的要素があるのでその親も発達障害を抱えていることが多いと言われている。私はカサンドラ妻の自助会に参加したり、発達障害児親の会に参加したことがあるのだが、夫も発達障害かその疑いだと子どもも発達障害という方が大変多かった。

そしてうちもそうだった。ちなみに私自身もADHDの傾向があると思っている。

その結果。

育児が困難を極めてストレスフルなのに、夫にASD傾向があるとそれを分かち合えない。共感の言葉もない。

興味のないことには全く見向きもしないため、育児本を渡しても見もしない。子育てに関して当事者意識を持ってくれない。

そして私自身も感情コントロールがうまくできなくて、そんな夫に何度も感情をぶつける、キレる。しかしどうやっても夫には響かない。

育児だけでも大変なのに、夫の特性にも追い詰められる……。カサンドラ自助会でも、発達障害児の親の会でもこんな不満が必ず出ていた。

夫の仕事が忙し過ぎる

娘が生まれたときから今まで、夫はずっと仕事が忙しい。帰宅するのは22時なら「早い!」と驚く。連日24時近い。一昨日も昨日も終電帰りだったらしい。

だから、私はワンオペで仕事と家事と育児と回してきた。

通常の育児でもワンオペは大変だが、発達障害児を抱えてのワンオペ。

ストレスと疲労でイライラする私と、仕事の負荷が大きすぎてやっぱりストレスと疲労で潰れかかっている夫。

そして子が発達障害だったり不登校になったりすると、母が働けなくなるケースが多い。そうなるとお父さんの肩に一家の生活がかかるわけで、ますます必死に働かなくてはならなくなる。発達障害や不登校になると、いろいろと余計にお金もかかるし。で、母親は一人で家事育児をする。ストレスは溜まっていくは、自分の失ったキャリアを考えて悔しくなるわ不安になるわ……

負のスパイラル。

そんな気持ちを夫と分かち合おうにも、そもそも夫婦でゆっくり会話する時間的余裕も精神的余裕も無い。

夫が帰宅した時、私は疲れ果てて、明日も続くワンオペ生活に備えて寝ている。

夫だって「家族を食わせていくために必死なんだよ」という気持ちだろうし、それは事実だし。仕事でいっぱいいっぱいで、妻を労ったり寄り添ったりできないのも責められないと思う。

仕事が大変過ぎることについて、これは夫だけの責任ではない。会社の悪しき文化とか、ここまで必死に働かないと食っていけない国であることとか、転職が難しい景気状況とか。夫だけではどうにもならない問題があると思う。

飲みニケーション文化が許せなかった

仕事の負荷が大きいなら、大変だなぁと思えたし、夫のおかげで食べていけるのだし、と思えたのだけれど、一番許せなかったことは

飲んで酔っ払って帰ってくること、だった。

夫はお酒を飲んで帰ってきて帰宅が遅くなることが多かった。飲み始めると「ほどほどの量と時間で切り上げる」ということができないらしい。

で、酒に弱い夫は朝一番助けが必要な時間に起きてこない、戦力にならない。

我が家の朝は長くこんな感じ。

なんとか起こし、なんとか身支度にとりかからせる。出発する時間が迫る。迫ってくるにつれて娘がイライラし始める。あと10分というところで娘の動きが止まる。泣き叫び始める。出発時間を過ぎる。時間が過ぎたことに対して「もう間に合わない」とパニックを起こし始める。泣き叫び暴れる声は家の外まで響く。これが、ほぼ毎朝である。

この状況下において、二日酔いで寝ている夫を見たら殺意が湧いた。そのほかにも子どもの行事の前日に遅くまで飲んで行事を忘れたり、書き切れないいろんなことがあり、我慢の限界だった。

これを変えたのはコロナ禍だった。夫は飲みに行くことができなくなった。そしてそのタイミングで

「お酒を止めて欲しい。会社の飲み会に行くのはもちろんいい。が、飲むな。ほどほどで帰ってこい。」と言ったらなんと了承した。

今まで再三に渡ってお願いしてきたのに聞き入れなかった夫が、です。なんなんだよ。今更聞き入れてくれても心は晴れない。

でもね、結局コロナ禍で飲みに行く機会はなくなったのだけれど、ますます仕事は忙しくなり夜帰ってこないし、朝の戦力にならないという状況は変わっていない。

やっぱり支えあえなくて……粛々と離婚準備

あぁもうこの夫とはやっていけない。

そう思う出来事が昨年に起きた。

それは娘が大きな問題を起こし、一番荒れて大変だった時期のある日のこと。

娘関係の用事があり、しかしその日私は仕事が入っていたので「代わりに娘の用事お願いできる?」

と夫に聞いた。

「無理!」と一言不機嫌な返事が返ってきた。

ただそれだけのこと。今までも何度もあったやり取り。でも最悪なことが続いている時期だったこのとき、その一言で一気に張り詰めていた糸が切れた。

私は衝動的に精神科からもらっていた薬を大量服薬。そのまま意識を失い救急搬送された。

今までも「死にたいなぁ」と思ったことはあったけれど、次女を残して逝くわけには、というストッパーがどこかでかかっていたのに、この日は本当にもう死んでもいいや、と思った。

それが土曜日のことで、次に目を覚ましたのは日曜日の何時だったか。飛行機で駆けつけた弟がいたことをうっすら覚えている。さらに朦朧と寝続け……

そして月曜日。私は目を覚まして家事をして、しんどさを押して仕事に行った。心配をかけた娘たちへのフォローもしなくっちゃ。

夫も仕事に行った。そしてこの日、夫は深夜2時過ぎまで帰宅せず連絡も取れなかった。やっと帰宅した時にはべろんべろんに酔っていた。

「まだ私本調子でないのに。どうしてこんな時も帰ってこないの、飲みに行くの?」と泣きながら訴えた私を見た夫の目。

彼はうっすら笑っていた。憐むようなうんざりするような目で見ながら。この時の夫の顔、一生忘れないと思う。

これが決定打。今、夫とほとんど口をきいていない。そもそも平日はほとんど顔を合わせないから問題無し。

問題は週末。どうやって過ごしたら一番ストレスが少ないか、答えが出ていない。

離婚しないのか?

えぇもちろん、できることなら離婚したい。もう修復不可能ということはわかっているので。

でも今すぐは無理。

発達障害児の育児ってお金がかかるのです。

娘たちを社会でちゃんと食っていける人間に育てなきゃいけない。

そのためにはある程度の投資が必要。彼女たちの良さを伸ばしてあげるとか。

それからやっと最近安定した長女の環境を今は変えたくない。もう少し、もう少し「大丈夫だ」というところまで持って行かないと。

だから今は子どもの環境を優先して、私は自立できるよう粛々と準備中だ。貯金も頑張っている。

発達障害児の育児を通して、夫婦二人で助け合いながら苦労を分かち合いながら生きていければ良かったな、と思う。それができたなら、ここまで育児が辛いと追い詰められることもなかったと思う。

発達障害児が夫婦仲を悪くするのではなくて、やっぱり私たち夫婦のそれぞれの性格や特性と、そして環境(激務、ワンオペ)が悪かった。いい夫婦なら、育児を通して愛情や絆をより深めることができたはずなのだから。そんな夫婦でありたかったな。




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