見出し画像

死にたくなるほど追い詰められる癇癪への対応

娘の癇癪

今まで生きてきて一番辛かったのは子どもが癇癪、パニックを起こしている時間だった。

これはもう断言する。本当に一番きつい。追い詰められる。

泣き叫び続け、物を投げ、私を突き飛ばし、もはや何を言っても聞ける状態ではない。娘は唸るように泣き叫び続けた。それは二時間も続く。

ペアレントトレーニングでは

「子どもの望ましくない行動は無視をする。」

「タイムアウト(子が一人でクールダウンする時間)をする。」

と教えられるだろう。私もそれをやった。が、しつこくしつこく付き纏い、私が反応しないということがますます火に油を注ぐ結果となった。タイムアウトも不可能だった。

※ただしペアレントトレーニングを学ぶことはかなり役立ちます。おすすめはこちらの本



耳を塞ぎたくなったし逃げ出したくなったし、実際逃げ出したことも何度もあった。ある時、もう耐えられないと下の子を車に載せて逃げ出そうとした。玄関を開けて追いかけてきて車に取りすがろうとする娘。私はそのまま車を発進させた。その時一瞬、このまま轢いてもいいと思った。

死にたい、と思うようになっていった。

日中も寝ている時も力が入っていたのだろう。私は顎関節症になり、2ヶ月痛みと食事が摂取できないという状況になった。

親が死にたくなるほどの癇癪はやっぱり普通ではない。私は定型発達児も育てているからわかる。

定型児だって気に入らないことがあったり叱られたりしたら泣きながら叫ぶことはある。だけど泣き叫び方と継続の時間がレベルが違うのだ。

癇癪時の録画と録音のすすめ

女子に多いようだが、癇癪を起こす相手が母親だけ、というのはけっこうあるようだ。以前ツィッターでそういう内容の呟きがあったが、「うちもです」という母親からリプがたくさんついていた。

そしてうちもそうだった。医者やカウンセラーの前ではおとなしい。発達障害があるなんてお母さんが気にしすぎ騒ぎすぎですよ、と思われてしまう。

実際1軒目のクリニックでは「大人しく話を聞けているから発達障害ではない」と言われた。

祖父母の前でもいい子ちゃんだし、身内からは母親の対応が癇癪を引き起こしている、と責められた。

子どもが癇癪を起こしている最中に録画や録音するってワンオペだと難しいのだけれど、周りに「この子の癇癪は普通とは違うんです!」と伝えるにはやっぱり録音や録画データを見せることが一番効く。

私も録音しているのが娘に見つかって、それでさらにパニックを起こされたりしながらもなんとかスマホで録音。児相の心理士さんたちに聞いてもらった。

結果……

絶句された。

「こ、これは……お母さん辛かったね…。入院という選択肢もありますよ。」

と言われた。はぁぁやっとやっとめちゃくちゃ伝わったーーーー!!わかってもらえたーーー!!

それだけでちょっと救われた気がした。

起きてしまった癇癪への対応法

耐えきれなくなって私もキレたり逃げ出したりをしながらも、最終的にこの方法が一番早く平和的状態の復活に寄与しました。

1、感情をすべて吐き出させる。

2、お膝の上に乗せて抱っこ。背中を撫で続ける。

3、この子の今の感情は「怒りではなくて悲しみなんだ」と思うようにする。

とにかく全て出し切らないと収まらないので娘が泣きながら発する言葉を「うんうん。」と聞いた。すると「分かってないでしょ」と叫んでくる。簡単には娘の怒りは収まらない。

膝に乗せて抱きしめ、互いの顔が見えない状態で「お母さんはあなたのこと大好きだからね。」と呪文のように言う。この時私としてはそんなこと言うような気持ちではないけれど、私は女優だこれは呪文だ、と言い聞かせて娘に大好きだよと言い続けた。

3は心理士さんからのアドバイスだ。相手の感情を怒りだと思うとこちらもイライラして怒りが湧いてきてしまうけれど、根底にあるのは悲しみなんだ、悲しみを訴えてきているんだ、と思うようにした。すると、娘も苦しんでいるだな、かわいそうだよな、という思いで接することができるようになり、私がキレることを防ぐことができるようになった。

あくまでも我が家の方法だ。癇癪を起こせば甘えられる、言い分が聞いてもらえると誤学習してしまう、というリスクがあるという批判もあるかもしれない。だけど数年間におよぶ癇癪と付き合ってきて試行錯誤して、うちはこの方法しか無かったです。

娘の今と、現在苦しんでいる人たちへ

中二になった娘は癇癪を起こすことはほとんどなくなりました。

それでも反抗期。キレて物を投げることもあるし、延々と自説持論を述べて母親を責めてくる日もある。(これも結構精神的にキツイ…)

だけどあの泣き叫び続ける声を聞くことはなくなり、本当に楽になった。

今、子どもの癇癪へ悩んでいる人へ。

まずはとにかく相談先を作ること。児童相談所、子ども家庭支援センター、大学のカウンセリング研究所、児童精神科。私はありとあらゆるところに助けてって言い続けた。

相談先をつくる、と書いたけれど癇癪やパニックが起きるのはだいたい行政機関が閉まっている時間である。救急や警察が24時間なのだから、子どもの夜泣きや癇癪で限界の親のために24時間対応の育児レスキュー隊を作って、電話したら駆けつけてくれるようにならないかなぁ、もしくは駆け込み寺が欲しい、なんてよく思っていた。

というわけで、リアルに相談相手がいなかったり夜間ならばツィッターなどでもいい。ツィッターにばーっと本心吐き出してしまえばいい。私も一番辛い時期は「死にたい」って書き込んでいたから。

そして母親を責めるようなことを言ってくる人からは離れること。

うつ状態になっているなら、メンタルクリニックを受診して薬を飲むこと。子どもが大変な時は自分のことなんて後回し、セルフネグレクト状態になってしまうけれどちゃんと自分にお金を遣ってあげて欲しい。




いいなと思ったら応援しよう!

この記事が参加している募集