【イベントメモ】『パパとママの戦略育児』から考える私の両立のこれから
ワーキングマザーの会全国ネットワークが主催する勉強会に参加してきました!
講師はNPO法人ファザーリング・ジャパン理事でなんと3人男児の母、林田香織さん。連携型育児「チームわが家」を提唱されています。勉強会はファザーリング・ジャパンの新刊『パパとママの育児戦略』に基づいた林田先生の育児戦略・両立についてのお話と、林田先生とワーキングマザーの会代表の高橋奈緒子さんのトークセッションの二部構成でした。
ちなみに奈緒子さんは船橋ワーキングマザーの会代表で、旦那さんも地域のパパコミュニティを立ち上げているという神夫婦!仕事大好きエネルギー溢れる中にも、人を惹きつける魅力があってとっても素敵な方でした。。林田先生の連載にも登場しているのでぜひご一読ください。この地域ネットワークの築き方は本当に参考になる・・・!
講座もトークセッションも学びや考えさせられることが多すぎて、メモをたくさん取ったので鮮度が落ちないうちにアウトプットしつつ、私の感想も記しておきます。
現地とオンラインで参加者は20名ほど!
会場はいつもお世話になっているママボラン事務局がある
パーソルのオフィスでした。
時代の変化に伴う育児戦略の必要性
・ワークライフバランス(2007)
・イクメン(2010)
・働き方改革(2014)
こんな言葉が誕生して10年程。共働き家庭が増え、家計モデルや職場環境が変化し、価値観の多様化、変化の加速化、人生100年時代・・・あれもこれもが「崩壊」「バージョンアップ」「シフト」していてこれまでの生き方が参考にならない時代がきています。
これからの育児戦略としては、今までのやりかた・常識をなぞるのではなく「パパとママの生き方」がベースになってくるそう。
それぞれの家庭が「ビジョン」と「ビジョンを叶えるための道筋」を明確にして共有・浸透することが必要になっています。ビジョンはもはや企業だけの考え方ではない!今こそ家族ビジョン策定のときです。
私たちの親世代くらいまでは「父親が外で働いて、母親が家庭を支える」というのが定番で、それぞれ持ち場が分かれているから「分担」とか「両立」みたいな概念がなかったけど、今は人生のマルチステージ化が起きていて昔のようなモデルケースが成り立たないのが現状。つまり他人の家庭は参考にならず、「うちはどうする?」に徹底的に向き合わなければいけない時代・・・夫婦間のパートナーシップが問われます。
「チームわが家」の裏ミッション
産業化以前の家族は地域コミュニティや親族ネットワークが活発で、まさに「地域で子育て」が今よりも実現できていました。それが産業化後、共働き世帯も増えてきて「子ども達+親」が孤立する状態に。ご近所付き合いもなく、親も遠方で頼れず、夫婦で子育ての負担を背負い込んで家族それぞれでなんとか家庭を回している状態が当たり前。我が家もそうでした。
林田先生が提案するのは、核家族・各家族から「拡家族」への発展。
・親族を含む家庭内サポーター
・パパ友・ママ友・同僚・上司などの家族外家族サポーター
・家事代行・ファミサポ・ベビーシッター・病児保育などの民間&行政サポーター
・保育園・幼稚園・学校・習い事などの先生
・家電やアプリなどの時短アイテムやテクノロジー
上記が家族を取り巻く形で、「それぞれ」「安心&安全」を保ちつつも頼る先がたくさんあって風通しの良い育児環境が「チームわが家」の目指す形。
第三者を育児に巻き込んだり、家電や代行サービスの導入を進めるにはやはり家庭におけるビジョン共有が必要不可欠。「わが家の目指すところはここ!」が定まった上で、「じゃあ何を取り入れる?」に発展するので、「頼る先を増やす」という手段の目的化にならないように注意!
家族のサポーターを増やす、第三者を育児に巻き込むことは単に負担を減らすだけではなく、家族が持たない社会関係資本(家族外の信頼やネットワーク作り)も手に入れることができるのが「チームわが家」の最大のメリットであり裏ミッション。ケアの分配だけではなく、外部に安心安全のセーフティーネットを拡げること、地域間の信頼できる繋がりを作ることが子育てをしやすくするし、それは今までの「核家族・各家族」のやり方では得られないこと!チーム育児の重要性をひしひしと感じました・・・
<ここから林田先生×高橋さんのトークセッション>
地域の繋がりどう作る?
地域ネットワークの重要性は理解できたものの、ご近所付き合い皆無・児童館で会うママさんたちとはうすっぺらい会話しかしない中でどうやって関係性を深めていったらいいの?!(←これ思ってるママ多そう)
高橋さん曰く、育休中に働くママの繋がりを作るのはおすすめだそう。日中動けるので関係性が築きやすいし、「育休中」「保活」「両立」みたいな共通キーワードも多い。児童館や子育て広場のイベント、区が主催するママ向けイベントなどに顔を出して、まずは自分から自己開示していくのが第一歩。「ワーキングマザーの会を作ろう!」と思って仲間を集うのではなく、まずは気の合いそうなママを見つけて仲良くなってから少しずつコミュニティに発展させるのが吉。
持ちつ持たれつの関係を築くには、まず自分からGIVEすることが鉄則。「実家から送られてきたみかん」をおすそわけしたり、仲良くなってきたら「子どもを預かる」ことを申し出てみたり。そうやって「おたがいさま」を作っていくのがいいのだそう。
働くママたちの呪い
地域の繋がりあった方がいいのはわかっちゃいるんだけど、正直人に頼るのって面倒くさい。だったらお金払ってベビーシッター頼んだり、家族間で完結した方がいいと思ってしまう・・・というモヤモヤした気持ちに、高橋さんが的確な解をくれました。
働く女子たちは今まで何でも自分でやってきたから、ちゃんとしなきゃという意識が強い。今まで全部自分でやってきたしできてきたのに、子どもを産んだとたんいきなり「頼りましょう!」と言われても無理。
いやーーーそうだよね、首がもげるほど頷きました。
自分のことは自分でやるのが大人だし、仕事もそうやってちゃんとやってきた。人に頼る、任せるのは自分のスキル・キャパが足りてないっていう思い込みがあるのかも。バリバリ働いてきた女子たちは、ママになったからといっていきなり「人に頼る」ってすごーーーくハードルが高いことなんだな、と腹落ちしました。まずはこの呪縛を解いて、メンタルブロックを外していかないと本当の意味でのチーム育児は実現しないなと痛感。
夫との家事シェアのコツ
「夫が家事をやってくれない」「共働きなのに全然分担できていない」というママの嘆き、よく聞きます。
分担において気を付けなければいけないのは、自分のコピーを作ろうとしないこと。逆に自分にできないことをしてくれる方が助かるので、まずはパパが得意なことを褒めて伸ばしましょう(笑)あと分担・両立において自分がどんな状態に満足感を感じるかを把握しておくのも大事だそう。
・量的公平感:50:50で分担できていて、負担が半分ずつになっている
⇒エクセルシートで家事項目を書き出して分担を決めたり、分担表を作って貼り出すことで満足感を得るタイプ
・情緒的公平感:話を聞いたり労ったりすることで精神的負担を減らす
⇒分担は曖昧でも大変さに共感してくれたり、話をゆっくり聞いてくれたりしてもらうことで満足感を得るタイプ
私は完全に情緒的公平感重視だと思います。今は育休中なので、自然と私の家事育児負担の方が多いですが、週末は自分の時間をたっぷりとらせてもらったり、毎日「ありがとう」「お疲れ様」を言ってもらってることで公平感はだいぶ保たれている気がする。
自分がどっちのタイプかを把握して、それをパートナーにも伝えることで公平感を保ち、イライラやすれ違いを減らすことができます。要はとにもかくにもコミュニケーションが大事ってことだ・・・!
「チームわが家」的子育てのススメ
チームわが家を実践する上で、子どもへの影響や教育面でのメリットは何だろう?という問いに対する林田先生のキラーフレーズが印象に残りました。
Beyond my expectations
チームわが家を実践するということは、子どもたちは必然的に親以外の大人と多く関わりを持ちます。そうすることで、親のやり方、親の価値観以外の選択肢に触れられるので多様性が身に付き、親の期待を超えた成長に繋がるそう。
これはわが家でも実践していて、友達家族とキャンプに行ったり、外食をしたり、積極的に大人たちの空間に子どもを連れだすようにしています。そうするとやっぱり子どもの見せる顔って家とは違くて面白い。娘は放っておいても夫婦の友達や親戚とも楽しく会話ができるし、息子は後追い期と言われる時期ですが誰に抱っこされてもニコニコしています。
子育てに関しては「正解は何か?」を模索していると、模索したまま迷子に終わるので、冒頭の林田先生の話にあったように各家族で「ビジョン(軸)」を持ち、家族で選択したことを正解にしていくしかないのです。
「子ども」は「個ども」
親がどう育てようと、それぞれの個性がありもちろん思い通りにはいかないので、子ども自身も選んだことを正解にしていけるように、親がその背中を見せていかなければな~と感じました。
夫とのコミュニケーション術番外編~家庭を円滑に回すには?~
最後はやっぱりこれ。
家庭の共同経営者であり、最高のパートナー・・・であるはずの夫との価値観のすれ違いやコミュニケーション不足が現代の家庭においての一番の問題かもしれません。
林田さん、高橋さんのアドバイスはもちろん、僭越ながらわが家のコミュニケーションについてもシェアします!
まず離婚を考えていない限り(考えていても、かも)夫婦間の「話し合い」の場は必要不可欠。どんなに忙しくても、面倒くさくても、逃げずに向き合いましょう!!!というのが鉄則。
●話し合いのシチュエーション作り
林田さんのおすすめは「日帰りドライブ旅行」
特に子どもが小さいときは車に乗せれば大体寝るので、妻は助手席に座ってじっくり夫と話し合うことができます。(物理的に「逃げられない」ということもメリットだそう笑)
わが家もこのシチュエーションはよく使います。子連れ旅行の長時間ドライブ中、子どもが寝ている数時間は夫婦でみっちり話し合っています。お互い考えていること、相談事、これからのことなどなど、、、リビングで向き合って話し合うのはちょっと気まずくても、同じ方向を向いて前に進んでいる環境(走行中の車の中)だからこそ前向きに議論できることもあると思います。
共働きの場合でも、アポの合間に予定を合わせてランチしたり、早く帰れる日にカフェで待ち合わせてお茶したり、意識して夫婦「だけ」の時間をこまめに作ることも大事。
●アウトソーシングのアラートサイン
夫に対して
・「ありがとう」を素直に言えない
・目を見て話せない
ということがあればそれは余裕がないことの現れなので、ただちに家事育児をアウトソーシングして心の余白を作った上で話し合いをしてください。
アウトソーシングに関しても「ラクするため」ではなく「心の余白・時間を作るため」という風に自分も周りも意識を変えていけるといいですね。まだまだ「育児を他人に頼るなんて」とか「お金を払って家事を外注するなんて」みたいに考える人多いですから・・・
●夫婦の情報格差を作らない
子どもに関する情報をパパは「ママに聞かないと分からない」状態だと、主導権がママになってしまうので話し合いに発展しません。子どもの情報は平等にシェアしたり、パパ担当のことも作りましょう。
わが家は子どもの予防接種などは土曜日に予約して夫に行ってもらったり、保育園申込書類はまず夫に読んでもらって要約したのを説明してもらったりしています。
基本的に私が書類を読み込んだり、比較・分析したりが苦手なので、そこは理系頭脳の夫にお願いしています。夫の得意分野を把握して積極的に任せるのも、情報格差防止に繋がります。
●家庭は安心安全の場
「家に帰りたくない」「家に居づらい」という理由でダラダラ残業したり、公園で時間を潰す「ブラリーマン」が一時期話題になりましたよね・・・衝撃。
夫にとっても家が一番落ち着けて、くつろげる安心安全の場にすることも妻の役目。話し合いで追い詰めすぎない、家事育児を押し付けすぎない、夫のプライドを傷つけない、など夫への「思いやり」を持ちましょう。男性って意外と繊細な生き物ですからね・・・
わが家も大げさなくらい褒めること、感謝することは徹底しています。あとは、帰ってきたときにくつろげるように夕方くらいはリビングの片付けでもするかな・・・。うちの夫は本当に仏なので、リビングがどんなに散らかっていようと気にしないし(鈍感)、何も言わなくても察して家事をしてくれるし、私の話を聞いてくれるし、「今日忙しかったなら疲れてるだろうしお惣菜買って帰ろうか?」とか言ってくれます。私は感謝しかすることがない。
●時短アイテムの導入
林田さん、高橋さんのおすすめは「掃除機」でした!
各部屋に1台スティック掃除機、ハンディクリーナー、ルンバなどを設置しておくと掃除のハードルが下がるそう。「狭い家に何台も掃除機がいるのか、というパラダイムを捨てること」というのが高橋さんの名言です(笑)
料理はビストロやホットクックが人気。
とにかくほったらかしておけば全自動で料理ができる・予約ができるという機能が重視されているよう。わが家もホットクック大活躍です!
家電だけでなく、家事負担を減らす工夫も時短になります。
家族の人数が多い家庭では「紙皿」を導入して洗い物を減らしたり、「ワンプレート」で食事を提供したり。また食洗器で洗いやすいお皿をそろえる、なんて声も。(食洗器で汚れが落ちやすいカーブがあるんだそう笑)
子どもが多少大きくなってきたら、自分のことは自分でやってもらいたいので「お手伝いしやすい動線作り」も時短の一つですよね!お箸を差したカップを食卓にどーんと出すとか、食べ終わったらお皿をシンクに下げるとか、子どもたちが自分でできるように色々見直してみよう。
そんなこんなであっという間の1時間半。
色んなお話を聞いて、改めて考えさせられたこと、納得できたこと、モヤモヤが晴れたことが多くてものすごく学びの多いイベントでした。
そして改めて夫に感謝するきっかけにもなりました。当たり前のように日々家事育児をしながら、私のケアまでしてくれて本当に頭が上がりませぬ。
このイベントで学んだことも夫にも共有して、夫婦で話し合いの場も作りたいと思います。
行動宣言
復職まであと3ヶ月。
わが家のチーム育児構築もいよいよ本格化フェーズです。アウトソーシングにおけるサポート体制は整いつつありますが、このイベントをきっかけに「地域の繋がり」や「家族外家族サポーター」の重要性を感じたので、残りの育休期間は地域コミュニティ作りに重点をおいて取り組んでいきたいです。
自分の地域でワーキングマザーの会発足も目指すぞ!
まずは地域のママに出会えるような区のイベントに参加してみるのと、SNSで地域キーワード検索をして既存のコミュニティがないか探してみたいと思います。
最後に「地域コミュニティ作り」の目標は、育休中にお手伝いしているエスキッチンで進めている #両立チーム育児 に取り組むプロジェクトの個人テーマの1つに設定します。こちらのプロジェクトも応援していただけると嬉しいです!
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