女郎蜘蛛と呼ばれた女【毎週ショートショートnote:お題3/31発表】参加記事
#毎週ショートショートnote お題:命乞いする蜘蛛 参ります。
女は女郎蜘蛛と呼ばれていた。別段妖婉な魅力のある女性ではなく、浮名を流しているわけでもない。平凡を絵に描いたような彼女に相応しくない、その二つ名が俺には不思議だった。
絡新婦。
百鬼夜行の類だというのか?莫迦な、馬鹿馬鹿しい。ふと浮かんだ思いを打ち消す。
「アンタ、アタシの通り名が不思議なんでしょ?」
女が俺に声を掛けた。その声も秋波を送るといった類ではなく、そこにいたから取りあえず話しかけてみた、といった風情だった。
「アンタも察しているようだけどね。アタシは絡新婦なんて玉じゃないのさ。ごくごく平凡なつまんない女。それが女郎蜘蛛・絡新婦なんて、大層な通り名を頂戴したのはね……」
この着物の柄が気に入って、着倒していたからだけなのさ!
「他言無用だよ?バレちゃアタシは喰っていけない。一杯奢るから、後生だよ」
俺の酒代は、今夜は只だ。土下座する、蜘蛛の巣模様の黒い着物を纏ったお女郎の奢りで。
拙稿題名:女郎蜘蛛と呼ばれた女
総字数:410字(原稿用紙1枚強)
よろしくお願い申し上げます。
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