【シロクマ文芸部|お題「ラムネの音」】参加記事
ラムネの音が口腔内から耳へと伝わり、頭の天辺ではじけ飛ぶ。ラムネは夏休みのはじまり、その音そのものだ。サイダーとは違う、どこかはかなげで、直ぐに消えてしまうところが、子供の頃に感じた記憶と繋がっている。
自分の場合は、ラムネは一気に飲み干さねばならないものだった。口の中でバチバチという感触と闘いながら、目指すは瓶を空にすること。欲しいのは、瓶に閉じ込められたビー玉だった。あの頃、ビー玉は勲章だったのだ、俺たちにとって。
「随分と違うものなのね……男と女の違いなのかなぁ」
「性別というよりも性格の違いじゃないか?子供の頃は、直美の方がずっと文学少女だったんだろう。ガキ大将の俺よりも」
コンビニの店頭に並んでいたラムネ。氷水に浸けられている瓶、それが夏の乾いた喉を刺激する。私たちは頷き合い、それを手に取ってレジに向かった。
「今飲むと、こんなに炭酸が弱かったっけ、と感じるの。味覚が変わったのか、ラムネが変わってしまったのか。両方あるのかしら?」
「そうだなぁ……強炭酸とか色々売られているからな。ラムネの配合も少し変わったのかもしれない。後で少し調べてみるか」
会話の締めに研究者魂を繰り出してきた雅也に「ラムネまで研究対象にしないでよ」と、笑いながら言葉を返す。
「あのビー玉、結局は無くしちまったんだよな。手に入れたら満足したか、他に関心が移ったのか、どちらか分からないが」
「少し物足りなくも感じるけど、ラムネの味は素朴で好き。この弾ける炭酸、ビー玉の気泡に似ていない?」
会話の最後に「お前の方がずっと文学的だよ、やっぱり」と言って、雅也が笑った。
拙稿題名:ラムネの音(今回は、お題のまま題名にいたしました)
総字数:679字(原稿用紙二枚弱)
よろしくお願い申し上げます。
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