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月を捲《めく》れるか。

#シロクマ文芸部  お題:#月めくり 参加します。

今回もエッセイ風の雑文にて。


#月めくり  とはなんだろうか。カレンダーのことか?と考えて、この記事に行き着いた。

上記から一部を引用してみる。

月めくりのカレンダーに載っていた俳優写真のように

コトバンク 月捲 汚れた夜(1961)〈石原慎太郎発見 より

カレンダーに載っていた人物。それ自体は思い浮かばないが、カレンダーに近い手帖に挟まった人物ならば私にも心当たりがある。先に進むことをいつもまでも逡巡していたその人に、最後通告を突き付けた若き日の想い出だ。あの頃ならば、壁に彼の写真を貼ってテニスボールでも投げつけてやろうか、などと少々過激なことを考えるのだろうが、今の私には露ほどもそのような激情はない。
月ごとにめくられていく暦。剥がされた1枚は不要になる。過ぎし日の思い出もまた、忘却の彼方に置き去りにされていく。

置き去りにされるのは彼なのか私なのか。もうすぐめくることになるカレンダーの今月9月、長月のそれを見やりながら詮なきことを思う。考えてみれば、あの人の声は疾うに忘れてしまった。忘れることは救いなのだと言ったのは誰であったか。
カレンダーがめくられなければ要をなさぬことと同じように、過ぎた想いはひとまず置いておくがよかろう。
思い出して浸るのは、遥か先のことでいい。今は今を生きるのだ。進むべき道、その先だけを見つめて。


総字数:556字(原稿用紙一枚半相当)

なんだか重めになってしまいました、中秋の名月だというのに(苦笑)
お口直しにみんはいの素敵記事をリンクしておきますね。

2023/09/30追記。この記事に関連した散文詩を #一かけらの今  さまに選出していただきました。

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春永睦月
拙稿をお心のどこかに置いて頂ければ、これ以上の喜びはありません。ありがとうございます。

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