珈琲には何を添えますか?【シロクマ文芸部】
#シロクマ文芸部 お題「珈琲と」から始まる 参加します。
珈琲とミルク。それも某有名牧場のそれじゃないと飲まない。君のカフェオレ、その妙な情熱に、僕はとてもじゃないが着いていけない。牛乳ならどれだって美味しいじゃないか。コンビニで売っている牛乳のどこか気に入らないんだ?
僕がそう訊ねると、君は答えた。
「分かってないのね。覚えていないの?あなたは」
は……?分からん、ヒントをくれ、ヒントを。
「だ、か、ら! 私たちの初デート」
あ。そうか、僕たちが付き合いはじめた頃、最初に出掛けたのは、あの牧場だった。牛乳とソフトクリームが美味しくて。口の周りが汚れるので恥ずかしいと君は頬を赤くしながらソフトを食べた。そして、お土産にと買って帰ったのが――
「そう。瓶入り牛乳。それで淹れたでしょ?カフェオレ」
そうか、あの味だったんだな。それでは、我が姫のご機嫌が直るように、今日は僕がカフェオレを淹れるとしようか。
そう言うと、君はあの頃のように、頬を赤らめながら微笑んだ。
拙稿題名:珈琲には、何を添えますか?
総字数:411字(原稿用紙一枚相当)
以下は、縦スク文庫をお借りして仕立ててみました。
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