愛すべき登場人物だらけだった『アレ伝』――書き仕事の日々9
「アレクサンドロス大王が、フェニキア人の港湾都市テュロスを陥落させた」
この史実を軸に、物語を進めよう、と決めたとき、はるなの頭の中には二つのエピソードがありました。(二つしかなかった、というべきか)
一つは、ロマンス。
とはいっても、実は、全然主役ではない二人のロマンスでした。(カイとエリッサのエピソード。七巻(最終巻)に出てきます)
ところが、カイと敵対する側にハミルという大親友をおいてみたら、
あれよあれよというまに話をハミルに引っ張られ、とうとう主役の座を奪われて