#111 Flourish
博士課程にもなるとほとんど授業は無いけれど、いくつかの文系教養科目を履修しなければいけない。オンラインで100分の授業は退屈で仕方ないのが常なのだけど、今日の科学者倫理の授業はちょっと面白かったのでメモ。
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今日の講義のトピックは "well-being"。それに関連して、
・アリストテレスの "eudaimoa”(つまりはwell-beingのこと)
・予防倫理と志向倫理
・ポジティブ心理学
といったことについて触れながら授業が進められた。
少し補足すると、
これまでの科学者倫理は、予防倫理に基づき、やってはならないことや守るべきこと示すことが目的だった。これは健康や安全の確保を第一としている。
しかし「○○してはいけない」といったルールを設けることは科学者のモチベーションを下げてしまい、限界があった。
そこで登場したのが、志向倫理だという。志向倫理は優れた意思決定と行動を促すことを目的としており、より良い社会のために科学者がどのように貢献できるかといったことを考えるための倫理だ。
志向倫理を考える際にキーワードとなるのが ”well-being”やポジティブ心理学(より良く生きることを科学的に検討するための研究)である。
「科学者倫理とwell-beingになんの関係があるんだろう?」と思っていたが、志向倫理の話を聴いて納得した。
予防倫理的な考え方では、罰則から逃れるためだったり、法律で決まっているから○○を守ろうという思考回路が働くが、
志向倫理的な考え方では、そもそもルールは何のためにあるのか、本当にそのルールがより良く生きること・社会の幸福に必要なものなのだろうか、という思考回路になるからだ。
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これまでの科学者倫理の授業は予防倫理の観点からしか話されていなかったから退屈だったのか…!ということがわかってすっきりした。
自分の人生とwelll-beingに関しては今までとても興味をもっていたけど、これからは研究とも関連付けて考えていけたらいいなあ、とポジティブな気持ちになれた午前中だった。
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最後に、授業で印象的だった言葉と、本を紹介して今日はおしまい!
「成功するから幸せなのではない。幸せだから成功するのだ。」