#84 在宅研究
大学が閉鎖されたことに伴って、4月初旬からマガジン「食と農と風景」を頻繁に更新していたのですが、先週から今週にかけてちょっとおろそかになっていました。その間は学振(研究費の申請)のために、色々調べたり、本を読んだりしていました。
携帯の電源も切り、ZOOMゼミ以外の人との接触はほぼなく、
朝起きてYouTube見ながら運動し、(腹筋うっすら割るのが目標(笑))
5~6時間研究し、
夕方また運動し、ご飯をつくるという毎日。
思った以上にこの生活に適応していて、ストレスフリー。むしろ好きに知りたいことを知れて、本も読めて、料理もして…「あれ、意外と楽しいぞ」、という感じ。できなくなったこと、制限はあるけれど、コロナ関係なく、これまでも制限なく生きていることなんてなかったし、今回もそういう”いつもの”制限の一種(特殊例?)なんじゃないかと思っている。
幸い周りに感染者はいないので、この状況だからこそできること、をやろうと思う。(もちろん早く収束してほしいし、この状況の中、世の中をまわしている人たちには感謝している。)
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ということで、
研究についてはここでは詳しく書けないけれど、色んな文献をあたる中で今後の記事のヒントになる面白い事がたくさん見つかっています。
なので今日は、備忘録もかねて今後の記事テーマを挙げておこうと思います。
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・日本酒とテロワール
ワインと農村振興やツーリズムについては盛んに研究されている。しかし、日本酒となると、ワインと同じ文脈で研究されることは少ないようだ。またワインではテロワール*が盛んに話題に上がるのに対して、日本酒のテロワールは耳にしない。
なぜだろう?そんな疑問から、日本酒のGI、産地、原料の米、製法等について調べてみた。その結果、日本酒がワインほどに文化、環境保全、ツーリズムと強く結びついていない理由が少しずつ見えてきた。
また日本酒業界では日本酒とテロワールを結び付けようとする動きがあるということもわかってきた。
*テロワール
フランスの INAO(原産地呼称全国機関)は、テロワールを「それは、人間共同体が歴史を通じて物理的生物学的 環境と人的要因との間の相互作用シス テムに基づいて、生産の総合的知識を構築しているような限定された地域空間である」と定義している。
高橋梯二(2015)「農林水産物・飲料品の地理的 表示 – 地域の産物の価値を高める制 度利用の手引き」一般社団法人農山漁 村文化協会、P15
・日本酒・焼酎とGIと米
現在日本で登録されている酒類のGIは11ある。そのうち日本酒と焼酎は8ある。↓(GI”日本酒”は産地が全国で適応されており、それは除く)
・壱岐
・球磨
・琉球
・薩摩
・白山
・山形
・灘五郷
・はりま
「日本酒とテロワール」についても、この8つと米の生産に注目して調べていこうかなと思っている。
・ワインスケープ/ワインと景観
ワインと景観に関する論文が面白くて、その著者の本を購入。
ワインスケープとは、ブドウ畑の風景にとどまらない。能動や休憩小屋にはじまり醸造所や集落も含まれる。
「フランスではワインスケープが味覚を超えた価値を想像している」という。そうだとしたら、それは一体どんな経緯で、またどの制度が関わり、ワインがこんなにも特殊な農産物になったのだろう?本書にはこれらのことが書かれているようなので、ぜひ読んだら共有したいと思う。
本が届いてパラパラ見てみたが、それにしても著者はよっぽどワイン好きなんだろうなぁとちょっと笑ってしまった。やはり楽しそうに研究してる研究者は皆ストイックかつオタクなんだと思う…
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ザクッと書いてみたが、どのテーマも細かく分ければ小さなテーマがたくさん詰まっていて、しばらく在宅研究を飽きずに続けられそうだ。
ただ、最近研究以外の本を読むことが減っているので、何かおすすめがあればシェアしてほしいなあ。。。
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