今年観た映画ベスト3(2021)
皆様お久しぶりです。前回9月から更新をサボっている間に年末になってしまいました。時が過ぎるのが早すぎますね。
ベスト10が好きな私ですので、ネタに困ったらこれで行けば書けそうな気がしてきました。今年映画館で公開された作品は10本も観ていないので、先ずは印象に残った3作を上げます。でも観る前にかなりリサーチして厳選していますから自信を持ってお薦めできる3本です。
春江水暖 中国映画 2月公開
MINAMATAーミナマター アメリカ映画 9月公開
ONODA一万夜を超えて フランス映画 10月公開
春江水暖
まだ若い監督グー・シャオガンのデビュー作とは思えない壮大な作品です。
山水絵巻の様な映像美の中で主人公が富春江を泳ぐロングショットが圧巻。
杭州市富陽の旧家の4人兄弟のそれぞれの日常生活の様子が美しい自然と共に淡々と描かれているだけなのに、不思議と壮大な絵巻の世界に引き込まれていってしまいます。
MINAMATAーみなまたー
ジョニー・デップが写真家ユージン・スミスを演じた事で話題になった映画です。
実は、私は水俣病が発生した頃、熊本県不知火湾に近い福岡県北九州市に住んでいて当時の八幡製鉄所(後の新日鉄)のまき散らす粉塵の中で生活していました。幸い公害病にはかからず、高度経済成長の恩恵を受けて育った子供時代でしたが、こちらに越してきてから無知だった自分を恥じる思いでした。
この頃石牟礼道子さんやスミスさんたちがチッソ弾劾裁判で闘っておられたんですね。それが今でも連綿と引き継がれているということで頭が下がります。
ONODA一万夜を超えて
これもまた、戦争中陸軍中野学校で特殊訓練を受けた小野田陸軍少尉が戦争が終わっても終戦を信じず30年もの間フィリピンの密林の中で暮らしたという重い課題をフランス人監督アルチュール・アラリが撮った、実話を映画化したものです。
MINAMATAと同じく、日本の暗部を外国人監督が暴いたという形で考えさせられます。約3時間に及ぶ力作ですが小野田少尉に扮する津田寛治がそっくりの名演で飽きさせません。
小野田さんを救出する青年が日本人だったのがせめてもの救いです。この鈴木青年の「僕が遭いたかったのがパンダとヒマラヤの雪男と小野田さんだったんですよ。」という言葉が現代の若者っぽくて素敵でした。
以上、アカデミー賞を受賞した「ノマドランド」と「ミナリ」も良かったですが私の独断と偏見で、この3作を選ばせていただきました。
どうぞ、良いお年をお迎えください。