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自重トレーニングのススメ<前編>

どんな種目のアスリートでも筋力トレーニングをする事は大切です。

筋力トレーニングをする事で、パフォーマンスアップや傷害予防などの効果を得る事ができます。

そこで今回は誰でも手軽に行うことのできる、自重トレーニングについてお話ししていきます。


◼️筋力トレーニングの重要性

スポーツパフォーマンスを高めるための筋力トレーニングの重要性は、今年W杯で盛り上がったラグビーやアメフトなどを、思い浮かべてもらえると分かりやすいと思います。

屈強な男たちが、激しくぶつかり合うそんな場面を見れば、身体の大きさや力の強さなどが大切だということが良く分かります。
実際、各国のチームではW杯期間中でも、筋力トレーニングを継続している様子を、SNS上にアップしていました。


ラグビーや格闘技などの競技では、筋力トレーニングをするのはわかるけど、ほかの競技では必要ないんじゃない?なんて思われる方もいるかも知れません。

しかし、40mスプリント走タイムは、スクワットやパワークリーンなどの挙上重量と高い相関があったり、体重あたりの筋力が増加する事で、跳躍高が増加したり、競技種目によらず、スプリントやジャンプ能力を必要とするすべてのアスリートは筋力トレーニングの恩恵を受ける事ができます。

また、筋力トレーニングには、パフォーマンスを高めるだけでなく、傷害発生の可能性を減少させる効果もあると言われています。

筋力トレーニングをする事で、足が速くなったり、ジャンプが高く飛べるようになったり、怪我をしづらくなったり、こんないい事がたくさんあるならやらない手はない!という事でやりましょう

◼️自重トレーニング

しかし、自分のチームでは、ウェイトトレーニングをやるための施設や道具を持っていない、ジムに通うお金がない、など筋力トレーニングを導入するのをためらう理由は多くあると思います。


そこで自重での筋力トレーニングです。

自重トレーニングは、自分の体さえあればどんな時、どんな場所でも行う事ができます。

自重でトレーニングして本当に効果あるのかよと思われる方もいるかも知れません。

自重でもウェイトトレーニングで得られるような効果を得る事は可能です。
ウェイトトレーニングほどの効果はないものの、筋力レーニンング初心者では、筋力の向上やそれに伴うスプリント能力の向上、跳躍高の向上などの効果があります。

他にも

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などのメリットがあります。

1つずつみていくと、


✅道具を必要としない

自重での筋力トレーニングは、自分の体さえあればどこでも行えるので、自チームに特別なマシーンや道具などがなくても、実施できます。


✅関節への負荷が少ない

自重のトレーニングでは、シアロードと呼ばれる関節への負荷が小さいので、ウェイトトレーニングと違い、フォームに自由度があり、エクササイズにオリジナリティをつける事ができる。


✅初心者に大きな効果がある

ウェイトトレーニングをはじめとした、筋力トレーニングを、継続的に行ったことのない選手に対しては、筋力の向上などの効果が期待できる。

✅筋力の維持に使える

ウェイトトレーニングを、継続的に行っている選手に対して行っても、筋力の維持、低下抑制の効果がある。


つまり、自重での筋力トレーニングは

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などに有効だと考えられます。

✅道具やマシーンのないチーム

自分のチームにマシーンや道具がないため、筋力トレーニングを行っていない、または体幹トレーニングのみ行っている、なんてチームも多くあると思います。
それではもったいないです!体幹トレーニングだけするよりも自重での筋力トレーニングを一緒にやる方がパフォーマンスアップや傷害予防に役立たせる事ができます!また道具がなくても、アイデアさえあれば、負荷を大きくしたり、効果的な筋力トレーニングはできます、是非やりましょう!(方法等は後半でお話しします)


✅これから本格的にウェイトトレーニングを始めようとしている選手
ウェイトトレーニングを始める前段階として、自重での筋力トレーニングは、とても有効です。

・ウエイトトレーニングをするために必要な筋力をつけるため

・ウェイトトレーニングのフォームを覚えるため

などウェイトトレーニングにスムーズに移行するためにも自重トレーニングはオススメです!


✅遠征等でウェイトトレーニングを行うことの出来ない選手
ウェイトトレーニングは、継続的に行わないと筋力や筋ボリュームが低下してしまいます。遠征でウェイトトレーニングを行えないのは仕方ない、筋力低下しても仕方ないではもったいないです。
継続的に、ウェイトトレーニングを実施している選手に対して、自重での筋力トレーニングでは筋力の向上は見込めませんが、筋力低下を防ぐ事は可能です。
なので、遠征等でウェイトトレーニングを実施し出来ない場合は、代用として自重トレーニングを行うのはアリだと思います。また、今日はジムに行きたくないな、でも筋力は落としたくないな、みたいな時でも自宅で自重トレーニングをするのはオススメです。僕の場合そういう日は、家で自重トレーニングをして、なんとか自尊心を保ちます。笑


✅育成年代の選手
僕が、このnoteで1番言いたかったのは、ここかも知れません。自重での筋力トレーニングは、育成年代のためにある、と言っても過言じゃないというくらい重要です。
何故なら、自重でのトレーニングは安全で、しかもパフォーマンスアップや傷害予防のもつながる。また早い段階で、自重でのトレーニングを行う事でウェイトトレーニングへの移行をスムーズにし、その後のウェイトトレーニングによるパフォーマンスアップの可能性を大きくできるからです。

例えば、同じ20歳の選手でも、Aの選手はウェイトトレーニング歴3年、Bの選手はウェイトトレーニング歴0年としましょう。そしたら歴が長い選手の方が扱える重量も、行える種目も多くなり、トレーニングの質は高くなります。そうする事でパフォーマスアップの可能性はウェイトトレーニング歴が長い選手の方が高いわけです。限られた選手生活の中でどれだけパフォーマンスを上げられるかが鍵なので、早いうちにウェイトトレーニングを導入し、トレーニング歴を積み上げる事が大切です。その意味でも中学生くらいから自重での筋力トレーニングを行い、PHV後に本格的なウェイトトレーニングを導入できるように、身体を準備しておく事は大切だと考えています。


若いうちにウェイトトレーニングを始めた方がいいのか、みたいな考え方は河森さんのこのブログを読んでみてください。

http://kawamorinaoki.jp/weight-training-age/


とてもわかりやすいです。

また育成年代においては怪我をしない事、させない事が大切です。育成年代で怪我をしてしまい、その怪我がその後の選手生活で支障がでたり、怪我によって競技を満足に行う事ができない、場合によっては競技をやめてしまうなんて事もあるくらいです。これからの日本スポーツを支えていく若い選手が怪我によって辞めてしまう、潰れてしまうことを防ぐためにも、怪我の予防のために、自重での筋力トレーニングは行っておく事は大切です。(外傷などの突発的に起こる怪我は防ぎにくいが、肉離れなど筋力トレーニングによって発生率を抑えられる怪我もあります。)

◼️まとめ

筋力トレーニングの効果は

✅スプリント能力の向上

✅ジャンプパフォーマンスの向上

✅傷害予防

です。

自重トレーニングは

✅道具の無いチーム

✅これから本格的にウェイトトレーニングを始めようとしている選手

✅遠征等でウェイトトレーニングを行うことの出来ない選手

✅育成年代の選手

に有効です。

自重での筋力トレーニングについて書いていきましたが、パフォーマンスアップをする上で大切なのは、競技練習です。

ウェイトトレーニングにしろ、自重トレーニングにしろあくまで競技練習の補助にすぎません。その事を忘れ筋力トレーニングばかりやっていては競技力は向上しません。

後編ではメニューや負荷の増やし方など実践的にお話していきます。

参考

ハイパフォーマンスの科学−トップアスリートをめざすトレーニングガイド− https://www.amazon.co.jp/dp/4905168457/ref=cm_sw_r_cp_api_i_YoqYDb3WNKVHN



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Miyawaki/フィジカルコーチ
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