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"なんちゃってデザイナー"の仕事③

昨日の②のつづき)

一昨日の①でも書いたことだけれど、ぼくは自分のことをグラフィック・デザイナーだとは思っていない。一緒に仕事をしたり遊んだり(?)している人たちもデザイナーとは呼んでないだろう。それでいてデザインの仕事や役割を振ってくるのだから可笑しい。

そもそも、多くの人は、"デザイン"とは何か? とあらためて考えてみたことなんてないだろう。

ぼくの場合、もとはといえば、予算もない、時間もない中で、さぁどうする? となった時に、「自分でやるか」と仕方なく(?)やったのが始まりだった。

それに、「仕事にはなりそうにないけど、こういうことをやってみたい」という発想がぼくの中にはこんこんと湧く泉のようにあり、ちょっとやってみようか、というふうなことだった。

これは2003年の1月に、アフリカキカクが初めてトーク・イベント(「“いま、プライベート・プレスをつくる”ということ」)を開催した時のリーフレット。表紙だけだと、何が何だかよくわからないが、ふたつ折りにした"表紙"に、その時のゲスト・とうやまりょうこさんのやっている雑誌『孤帆』の執筆者によるエッセイ集、『アフリカ』の執筆者によるエッセイ集の薄い2冊が挟まっている。

この後、何回か試みたイベント用に、たとえば文字だらけのチラシをつくってみたこともあった(実物がすぐに出てこないので写真はありません)。

これはアフリカキカクがつくった絵本『からすのチーズ』のチラシ。A4バージョンが主だけれど、これは後から追加でつくったA5バージョン(表カラー+裏モノクロの両面)。

手に取る人が眺めるための面+読みもの面と、ふたつのアイデアを組み合わせてる。

(これは他にA3ポスター用とか何パターンかある。)

『からすのチーズ』の作者・しむらまさとさんの個展を案内するハガキ。これはぼくではなくて、髙城青によるデザイン、写真と編集はぼく。時間と予算があれば、チームで出来る。

中に描きかけの絵(白いキャンバス)を置いて──というのも、ある程度考えてやっている。

これは吉祥寺美術学院で開催された「サンデー・ワークショップ2017」のチラシ(A5モノクロ両面)。

集客したいならチラシくらいあってもいいんじゃない? と言い出した手前、思いつきでとりあえずつくったものが採用になってしまった──といういい加減なもの。

写真からキャッチコピーから何から何まで自分でやった。"ドキュメント"("記録"というか)を大切にしてる感じがよく出てる、と言えば言えるかもしれない。

池田かつ美さんのソロ・リサイタルのチラシ(A4カラー片面)。お会いして、やろうとしてること、これまでのこと、いま抱いている課題、予算のことなんかを話し合いながら、思い描いているイメージを膨らませてゆく。

もともとは「チラシをつくりたい」という依頼だったのだが、ポスターや来場者に配るパンフレット(歌詞カードつき)も「つくりましょう!」となった。

(ぼくはイベントでは“ささやかなお土産”を手渡したくなる人なのでした。)

柴田大輔さんがニコンサロンで個展「故郷の声 コロンビア先住民族」を開催した時の、これは来場者に配布したA3ポスター(?)と見せかけて──

裏には柴田さんの写真と解説が満載。これもぼくの編集、デザイン。

この後、柴田さんとはトーク・イベントをやったり、福祉工房の商品案内パンフレットをつくったりした(またやりたいですね?)。

「TS」という白文字がどーんと置かれているのは、「おおたTS」のチラシ(A5カラー両面)。

「TS」と言われても、おそらくわからない人が多いだろうと考えて、あえて「TS」を強調して「なに?」と思ってもらおうとした。裏面を見たら、いろいろ書いてあり、読めば少しずつわかってくる(はず)。

イベントのチラシとは別に、「おおたTSって何?」を伝えるチラシもつくりました。半分に折って配布しているものの、表(上)と裏(下)。

ぼくの“デザイン”は、やりたいことをできる限り言語化して、理詰めで、考えてつくられている。つまり、ひとつひとつの作業に意味があり、理由があって、それ以上の“飾る”ようなことはやらない、というかできない。

だけれど、見る人からすれば何となく見られて、「なにこれ?」となりますね?

何でも金を出してやってもらいたい人にはかなり面倒くさい“デザイナー”かもしれないけれど、つくろうとしてる人にも、手に取って見る人にも、パッと見てすぐわかるというものではなくて、何と言えばいいんだろう、ある意味、“行動”を誘っているんだなぁ──と書いていて少しわかった。

(つづく)

「道草の家・ことのは山房」のトップ・ページに置いてある"日めくりカレンダー"、1日めくって、2月9日。本日は、窓が曇る話。※毎日だいたい朝に更新しています。

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