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『アフリカ』最新号から①〜「印刷物とウェブとノートの間で」

『アフリカ』は薄いときで40ページから、厚くてもせいぜい60ページ程度の小さな冊子だ。11年前、ぼくが27歳の頃に、ひっそりと始めた。誰も読む人はいないだろうと思った。だから名前は何でもよかった。アフリカということばをその冊子の名前として与えたことが、どういうことになるのか、相変わらずぼくはよくわかっていない。

その『アフリカ』の27冊目を、先月、6月につくった。第27号(2017年6月号)となっている。年月は「できた月」であって、読むのはいつでもよい。

今回、まず、ご紹介したいのは、ぼくと、写真ジャーナリストの柴田大輔さんが昨年末、開催したトーク・イベントの記録。題して、「印刷物とウェブとノートの間で──いま、“プライベート・プレス”をつくるということ」。長ったらしいのは、イベント名をサブタイトルにしたからで、ご勘弁を。

個人が、ウェブを使って、気軽に「情報発信」している時代に、わざわざ「紙媒体」を、しかも複数人を集めてつくっているのはなぜか、というのが柴田さんからの問いかけの中心だった。

ぼくの答えは、簡単じゃない。

まず、「メディア」とは何か。そもそも、どういうものか。「メディア」の役割は、ざっくり言って、何と何と何か(「発信」はメディアの役割の一部でしかないよね、と)。

『アフリカ』を始めたとき、「発信」を主に考えて、立ち上げたのではなかった、という話。

個人がつくって運営するにあって、SNSなどのウェブ・メディアと、印刷物の雑誌や本との違いは何か。

また、柴田さんが「下窪さんが毎朝書いてるというノート(モーニング・ページ)もプライベート・プレスと言えるのでは…?」と言い出したので、話は意外な展開を見せた。ぼくには思いもよらない問いかけだったので、意外、と感じたのだった。

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