『サムライ ハイスクール』 第二回 ヘタレ小太郎覚醒! 🌙ギャル語解析&ギャグ解説付き
― 深掘り考察記事です
― おもいきりネタバレしますのでご注意ください
― 基本的に敬称略/‟春馬くん“だけ例外
ある日突然、侍が乗りうつるようになってしまった高校3年の望月小太郎。さまざまな困難が身に降りかかるようになる。
いや、困難に果敢に立ち向かうために侍は乗りうつるわけなのだ。
そうこうしているうちに、ヘタレの小太郎自身にもなにやら変化が起きはじめたような気配が…
3人の小太郎ー名称使い分け
🌕侍小太郎=ご先祖様の望月小太郎。真田幸村の家臣。 1614 年大坂夏の陣にて討死。享年17歳。
🌙ヘタレ小太郎=現代の高校生である望月小太郎。3年生なのに志望先も決まってないお調子者。単に「小太郎」と書く場合も多し。
🌗サムライ小太郎=侍小太郎がヘタレ小太郎に乗りうつったときの小太郎。あぇ? ややこしいなあ。服装はヘタレのときのまま。髪は黒ゴムで雑に結わかれ、侍言葉を話す。めっぽう強い。
🌕 🌙 🌗
【其の四】必殺! 空中変身
偏差値60の特Sから平民クラスに落ちて不登校となった小清水君。あと3日以内に登校しないと卒業できない、誰か声をかけて誘ってあげてとの教師の頼みに手を挙げた小太郎だが、家に行ってみると、出てきた小清水君にバケツの水を思いっきりぶっかけられる。
*このときの小太郎サイコウ! 水の滴る顔でくちパクパクさせて、きみは🐧かッ! 鼻に水が入っちゃったんだって…。あっ、鼻水が…
家業が行き詰まり、良い大学へ行く夢をなくして親を恨み、小太郎たちの目の前で校舎から飛び降りようとする小清水君。
さ~て、どうする小太郎殿。
変身!《へ》
屋上の縁にいる小清水君を止めようとする小太郎だが、もつれて2人一緒に落ちてしまった。落下途中、もがきながら「まだ死にたくない!」と叫ぶと侍殿が乗りうつる。
ぶら下がった高い木から地面に飛び降り、抱えていた小清水君を無事に下ろした小太郎だが、説教しても改心しないことに業を煮やし、引っ張って店に連れ帰る。自分がばら撒いた商品を片付け、子供の客にも丁寧に接する両親を見てなにかを感じたのか、目に涙を浮かべる小清水君。
そこにやってきたヤミ金業者が暴れるのに食らいつく姿に、「ようやった。おぬしの思い、わしが引き受けた」と物差し二刀流にて4人を打ち倒す小太郎。周囲からは万雷の拍手~👏
変身!《と》
最後の‟進路希望調査”に困り果ててるヘタレ小太郎。妹の「いっぺん死んだら」の言葉に反応してあららっ、侍殿が乗りうつってしまったゾ。髪型もそのままに、眼光鋭く周囲を睨みつけるサムライ小太郎。
でも、戦う相手はいったい誰なの?
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〈ギャル語解析&ギャグ解説〉
「ツカ、あたしに言われてもコマッシ」
=ツカ=つーか=というか / =コマッシ=困るし
「サムライ殿はあんたのためにメチメタバトッテ、むかつくヤツやっつけてくれたわけっしょ」
=メッチャ・メッタ(滅多)・バトル・シテ=めちゃめちゃ・めったやたら・戦う・して=すごくいっぱい戦って
【追記】メタを「滅多矢鱈」のメッタと解析しましたが、古代ギリシャ語・英語の接頭辞「メタ」(超~)という説を発見。どっちもありかな。意味としては変わらねっし。
「ジェラッテンダ」
=ジェラシー・シテンダ=嫉妬してるんだ
「シェーーーッ!」
=赤塚不二夫の漫画『おそ松くん』に登場するイヤミが、驚いたときに発する叫びとポーズ(初出1964年頃)。
「トリマ、あんま弱ってっと侍殿に乗っ取られちゃうかんねー」
=トリ・マッ=とりあえず・まあ
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〈ヘタレ小太郎のホンネ〉
不登校の小清水君に声をかけようと思った動機は不純なのかいっ!
永沢に素の俺も結構いけると見せたかったからとか、侍殿に乗っ取られないように頑張らなければいけないから――だって。なんだ、それ~。
〈サムライ小太郎語録〉
「おぬしは大事な命を親から授こうた。それだけで親御殿に感謝すべきでござろう。それを負けた負けたとほざいて命を粗末にしようとは。勝ち負けなど死ぬまでわからぬのが人間ではないか」
これはヘタレ小太郎も言いたかったナイスな意見ではあるのだが…、うむむ、なかなかに辛い言葉である。
【其の五】バカ殿に捧ぐ命
長身、物差しの刀、侍言葉 …。特徴ピッタシで、ホームレス狩りの犯人にされちゃった小太郎と中村。いくらホントのことを言っても信じてもらえないから犯人にされてもいい、なんて弱音を吐く中村。
それに納得できず、自分で真犯人を捕まえると動き出した小太郎が被害者に直接会って話を聞くと、あれ? あいつらなんで…と真犯人に思いあたるのだったが…
変身!《ち》
真犯人を見つけ出して勝負を挑む小太郎と中村だが、大勢出てきてすぐボコボコにされてしまった。なのに侍殿はなぜだか現われない。
「殿、逃げて」とかばう中村に「ちがう、それは俺のセリフだよ!」と気づいた小太郎に侍がやっと乗りうつる。
相手を棒でやっつけようとしたとき、「ケガさせたら小太郎が捕まる」と抱きついて必死に止める永沢。「離れて!無理無理!」と叫ぶが元に戻ってしまった。どうするの~、小太郎。
頼んでみても侍殿はもう戻ってきてくれないみたい。仕方なくへっぴり腰で向かっていくと、あれれっ? なぜだか2人は勝ってしまったでござる。
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〈ギャル語解析&ギャグ解説〉
「あんたかてあほやろ?」
=『巨泉✕前武ゲバゲバ90分!』(1969-1971)でハナ肇が使ったフレーズ。「~うちかてあほや。ほなさいなら~」とつづく。
「織田信長公が本能寺でデスッタリ」
=デス・シタリ=死んだり
「真田幸村様が大坂夏の陣でエンドッタリしたみたいに」
=エンド・シタリ=終わりになったり
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〈ヘタレ小太郎のケツイ〉
「待ってるだけじゃダメなんだよ」
ひどいことを刑事に言われて泣く中村に「お前が怒らないなら俺が怒る。俺が真犯人見つけてやる」
さらに、小太郎の疑惑が晴れるまで休みを取ったという父親に「俺、大丈夫だから。自分でやれるから、もう会社休まなくていいよ」
あぇ? ヘタレ小太郎、なに!? どうした? とうとう覚醒したのか?!
〈サムライ小太郎語録〉
「他人を嵌めておのれの憂さを晴らそうなど人の道にあらず」
これまた今に通じる課題なり。自分の胸に手を当ててよ~く考えてみよ。
【其の六】父子対決かかってこいや
父上がクビに!!!
ならば大学進学はせず就職だ。まずはバイトからと中村の働くファミレスで働き始める小太郎だが、仕事中に侍が乗りうつってしまい大ピンチ!
なぜだかそのままの姿で帰宅した小太郎は、理不尽な上司に文句も言わない父親に「筋を通せ」と強く迫る。
嵐の予感。いったいどうなっちゃうの~、望月家!
変身!《り》
バイト先で失態を演じ、外を掃除しろと命じられた小太郎。ゴミを片付けない輩に声をかけたら「死ね」と言われてサムライ殿が早速、降臨。ゴミばさみ一丁で3人を退治したというのにバイトは即刻クビって、どうして~? それを見ている永沢。
そのまま帰宅したサムライ小太郎は、父親と剣の勝負をすることになるのだが、なぜか父親は途中で投げ出す。
木に隠れていた永沢が小太郎にわざと抱きついて元に戻ったけど、永沢は小太郎が多重人格なんじゃないかって心配してるんだよ。
変身!《ぬ》
口笛を吹きながらノ~天気に夜道を歩く小太郎。立ち止まると一陣の風。
…と突然、侍が乗りうつる。
「あえ? いきなり? なんだいこれ…?」とヘタレ小太郎も驚く初めてのケース。
「先ほどからつけている奸者、出でよ!」
武装した男数人が躍り出て小太郎に襲いかかる。雄々しく戦う小太郎に敵はとうとう退散するが、手に負った傷を見て小太郎がつぶやく。
「嫌な風じゃ」
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〈ギャル語解析&ギャグ解説〉
東雲歴史文庫、本日は休館日也。
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〈ヘタレ小太郎のホンネ〉
父親の失業で大学には行けないかも。ならば進学せず就職すると決めたのだが、「お前は受験から逃げたいだけだろう」と看破されてしまう。
そうなの、小太郎? ダサいよ。
〈サムライ小太郎語録〉
「なんじゃ。いよいよわしの子供を産む覚悟はできたか?」
いく度となくこう発するということはサムライ小太郎、否、ヘタレ小太郎も永沢を好いていると言うことじゃな。
〈つづく〉