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【2022年9月6日】博総日記 さらばV6編成

台風が九州に雨風をもたらした2022年9月6日、目撃情報がしばらく無かったV6編成の様子を確認すべく、夕方に博多総合車両所へ向かいました。天気もその頃には良くなっていました。その時の様子を書いていきます。

解体線を確認

目撃情報が無いだけで解体が始まっている可能性もあるので、まず解体線を確認します。

車両「は」不在

とりあえず車両はいませんでした。ですが、いくつか気になる点があります。
1つ目は、重機が掃除用のモップ的なものを挟んでいることです。これは、解体が終わった後に使われるもので、ふだんは挟んでいません。
2つ目は、解体業者関連と思われる人と車がいることです。ここまで見て、この後何かがここに来ることが予想できました。

普通に撮影···とはいかず

とりあえず、解体線付近の動きに警戒しながら撮影を続けます。

V6編成の留置状況を確認しました。これを見る限り、1~4号車は切り離されていたようです。

しっかりとV6の表記も撮ります。

この後、衝撃的なものを見つけてしまいました。

真ん中のあれって···

奥にはスイッチャーが。それに繋がれているのは···

内装解体が済んだ500系V6編成の先頭車じゃないか!?

なんであんなところにいるのかと思いながら、もう少し近くで撮れる場所に移動します。

ですが、移動して撮影準備をしていると、まもなく動き出してしまいました。なので、いつもの定位置に急いで戻ります。

フェンス越しにはなりますが、全体を撮ります。

この後、さらに衝撃的な光景を見ることになりました。

スイッチャーに押されて

しばらく待つと、V6編成の1号車(521-7006)がスイッチャーに押されてこちらにやって来ました。

なんですか、これは。

目に映ったのは窓はおろか、床下やライト、内装、ドアまで何もかもが取り外され、まるで500系とは思えない姿の500系の廃車体でした。ここまでになっているのはさすがにあの距離から確認できなかったので、かなりショックでした。

進む先には解体線が。ここ以外に行くことはもう考えられませんが、少しだけ「頼む、解体線に入らないで。」という気持ちが心のどこかにありました。ですが、そんな個人ののぞみなど届くはずもありません。

見えづらいですが、解体線の手前にある白い建物の側面に「一旦停止」の標識があります。ここで安全確認のために一旦停車します。

数秒後、スイッチャーの甲高い汽笛が博多総合車両所内に鳴り響き、同時にディーゼルエンジンも唸りだしました。そして前進をはじめ、捕食者のもとへ。

ついに、解体線の最深部に到達してしまいました。こうなると、もうスイッチャーとの連結解放を見届けることしかできません。

連結が解放され、スイッチャーは警笛を鳴らして帰っていきます。これをもって、521-7006の線路上の最後の移動が終わりました。
解体線にはもう521-7006と捕食者のみ。もう他の線路には行けません。

最後の姿を目に焼き付けて

入換が終わって、この廃車体をじっくり観察できるようになりました。なので、B4編成以来の解体線の来訪者を隅々まで見ていきます。

窓の奥というものは、反射でいつもは見えません。ですが、窓はもう無いので、窓の奥がはっきりと見えます。
デッキだったところも仕切りが無くなり、完全に塗装·整形されたアルミの塊状態になっていました。

台車周りを確認する作業員

乗務員扉も当たり前ですが取り外されています。

シャープでとてもカッコよかった先頭部も、放置による色褪せも相まってとても悲しい姿になっていました。パーツが無くなるだけでここまでイメージが変わってしまうものなのかと改めて感じました。

廃車体もほぼ全体を見れたので、いつもの流れに戻ります。

全体を見る

留置線は、いつも通りほぼN700系でした。ですが、1編成だけN700Sがいました。あと、博多南駅に止まっていると思われる500系のパンタグラフもあります。時間がある方は探してみてください。

夕方まで山陽新幹線の博多-広島間が運休していたこともあり、かなり留置率が高かったです。

留置線の片隅には、新車レベルで塗装がキレイな保線用車両がいました。ただ、台車周りは汚れが目立っているので、再塗装したんでしょうね。

スイッチャーの再来

521-7006の移動から1時間ほど経った頃、裏手から数回スイッチャーの汽笛が聞こえてくるようになりました。何かの入換が始まると察したため、しばらく待機します。
数分後、聞き覚えのあるディーゼルエンジンの音を響かせ、またスイッチャーがやって来ました。

全検明けのE3編成が牽かれて出てきました。ピカピカ、この一言に尽きます。

気付いたことがあるんですが、全検明けの車両のシートはリクライニングされていて、なおかつビニールのようなもので覆われているんですね。これを全部運用のときには元に戻すと考えると、かなり大変そうだなと思います。
あと床下のカバーに付箋が貼られているのも気になりました。

金色に輝く空をバックに。

夕焼けは金色。では夕陽はというと···

まるで天から迎えが来たかのようなことになっていました。521-7006も、かつて同じ編成内にいた仲間や、共に走った先輩·後輩のもとへ向かったのでしょう。

まとめ

ついに500系の廃車解体がはじまりました。本当にいつまで走ってくれるのでしょうか。

ちなみに、僕の写真が記事になりました。

この記事のコメントを見たら分かるように、当時かなりの反響を呼んでいたみたいです。それだけショッキングな出来事だったということは、言うまでもないでしょう。

多くの人を運び、晩年は今となっては貴重な東芝GTO-VVVFインバータ制御を搭載する仲間のため、自らのパーツを提供したV6編成。本当にありがとう。そして、お疲れ様。

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