猫好きだらけの世界の片すみで
『みおちゃんも猫 好きだよね?』(金の星社)がいよいよ発売です🐱8/2頃に書店や各種ストアで並び始めると思います。
今作は猫アレルギーをきっかけに展開するお話🐱
猫アレルギーについては、本当に個人的に思うところが色々あるので、今作で書けてちょっと何かが昇華した気がしました。それについて書きます。
■昔からアレルギー体質
何を隠そう、私自身が昔からのアレルギー体質。今も喘息持ちで小児アトピーも経験し、花粉・ハウスダスト・食べもの、そして動物アレルギー。
小学生の頃、猫を飼っている友だちの家に遊びに行ったところ、喘息発作が起きて大変なことになりました。検査の結果、そこで動物アレルギーが判明。基本的に動物の毛に反応するので、屋外で飼っている犬を触るくらいなら問題ないのですが、室内飼いで毛がたくさん抜けるような犬や猫はNGということに。
以降の人生、動物、特に発作を起こした経験のある猫にはあまり近づかずに過ごしてきました。今作は、そんな経験も踏まえて書いたお話です。
■世間の皆様は猫が好き
SNSでは、猫画像が毎日のように流れてきます。小説や漫画でも、猫が出てくるものはウケがいい、鉄板ともよく耳にします。「みんな猫好きだよね? ね?」という空気を日々感じ、薄ら覚える疎外感。猫吸いの話題を見かけると「自分あれやったら死ぬだろうな💀」と遠い目になります。
ちなみに、こういう疎外感は猫アレルギーに限ったものでもなく。
私は生の果物にもアレルギーがあるのですが、大学時代、サークル合宿のレクが果物狩りだと当日に知らされ詰んだこともあります。行っても何も食べられないので、宿で留守番していた思い出。
あとは、飲み会で「これアレルギーで食べられなくて」と説明したら「気の持ちようだ」と根性論で諭されたことも(今の時代にはないことを願う)。
こんな体質でもう何十年も生きているので毎回卑屈になるわけではないし、慣れてはいるのですけども。猫に限らず、自分が好きなものは他人も好き、というのは本当に押しつけだし、そうあれない色々な事情があるということは、自分も含め胸に留めておいてもいいんじゃないかなと思います。
■タイトルが秀逸
そんな思いもあって書いた今作、タイトルは編集部で案を出してくださったものになります。
『みおちゃんも猫 好きだよね?』
これ聞いたとき、めちゃくちゃうまい!!!と感激でした。音としてはすごくかわいいのに、同調圧力感が半端ない。そうそうこういうのだよ~!と。ちなみに私が出していた仮タイトルは『みおちゃんの世界には猫がいない』でした。
■アレルギー以外にも
今作では、アレルギーのように目に見えにくい色々な困難について書いています。そんな中紹介しているのが、ピクトグラムやユニバーサルデザイン。
ピクトグラムはですね、単純に超好きなんですよ。大判サイズの専門書を数冊持ってるくらい実は昔から好きで、海外旅行に行くと駅や空港でひたすらピクトグラムの写真を撮ってる人間です。そんなピクトグラムがどうしてあるのか、どう便利なのかを身近な例で紹介しています。
そしてもう一つはユニバーサルデザイン。こちらも前から興味のあるジャンルで、覚えている方はいらっしゃるかわかりませんが『恋とポテトとクリスマス』でもちょろっと出てきてます。そんなユニバーサルデザインについても入門的に触れています。
■「好き」だけじゃ語れない感情もある
猫アレルギーだと人に話すと、「じゃあ猫が嫌いなんですね」と返されることがよくあります。「好き」の反対は「嫌い」なのでそう思うのでしょう。
でも、私の中にも猫をかわいいと思う感情はもちろんあるのです。
普通にかわいいです。街中にいる猫を見てもかわいいと思うし。アレルギーは猫の毛に反応するものなので、もちろん猫グッズなどは問題ありません。キティちゃんやひこにゃんグッズだってたくさん持ってる。
ただ過去の経験(喘息発作)から、実際の猫にはあまり近づきません。猫=咳というイメージが頭の中に強固にあるのもまた事実。
ほかにもこれと同じような現象があって、それがバナナ味。生の果物の中でも強くアレルギー症状が出るものの一つがバナナで、バナナ味のお菓子はバナナ果汁ゼロでも、アレルギーが出そうな気がしちゃって苦手です。
私は別に猫が嫌いではないし、かわいいとは思います。ただ同時に、近づいたら咳が出ちゃいそうだなとも思うし、猫に触りたい・吸いたいと思うような気持ちにもなりません。好きの形には色々あるし、なんでもかんでも好きか嫌いかの二元論にはならないんじゃないかなと。
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今作は、こんなことを考えながら書いた児童文学になります。
なお、「児童文学」とか書いてしまうとお堅い雰囲気に思えますが、ストーリー的には、主人公の朱梨と転校生のみおちゃんの友情、そしてクラスの女子グループが揉めたり分裂したりしてさぁ大変💦みたいな感じで進みます。
ここまでまじめな感じで語ってきて女子グループの話ってどういうこと??と思うかもしれませんが、私がまじめなだけの話を書くわけがないので。自分が小六のとき、クラスの女子グループがぐっちゃぐちゃで大変だったことを思い出しながら書きました。読みやすいお話になってると思います。
ハードカバー児童書なので、児童書コーナーの大きな書店さんや、お取り寄せや通販などだと入手しやすいと思います🐱
どうぞよろしくお願いします!
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