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三浦春馬さん映画「天外者(てんがらもん)」を10倍楽しむために トマス・グラバーと五代友厚
映画「天外者」には唯一の外国人キャスト、ロバート・アンダーソンさんが出演されます。彼が演じるのはトマス・グラバー。そう、長崎の有名な観光地、グラバー邸の「グラバー」です。グラバーと五代友厚の関係について、まとめたいと思います。
そもそもグラバーは何しに日本へ?
スコットランドの「ジャーディン・マセソン商会」の社員だったグラバーは、日英修好通商条約が結ばれたことをビジネスチャンスと見た会社の命を受けて長崎に渡り、「グラバー商会」を設立します。当時の日本の政局を間近に見て、遠からず反幕諸藩が幕府を倒すだろうと、商人として反幕諸藩との取引を開始したのです。
五代友厚との出会い
五代友厚とは、彼の2度目の長崎遊学の際に知り合い、仲を深めました。藩から汽船購入を命じられた五代と、反幕諸藩との取引を広げたいグラバーの思惑が合致したためです。
五代友厚が上海に渡って、すんなり蒸気船を購入できたのも、グラバーの存在が大きかったと思います。それにしても、この時代に幕府に先んじて艦船を購入する、薩摩藩には驚きを隠せません。まるでもう一つの国のようです。
薩英戦争
生麦事件(薩摩の大名行列に横浜で出くわした英国人に怒って薩摩藩の武士が斬りつけた事件)の流れでとても怒った英国は、幕府に法外とも言える賠償金を要求しますが、幕府はのらりくらりと態度を保留します。
横浜から薩摩に向かった英国軍との衝突を避けたかった五代友厚と薩摩藩高官は、グラバーとイギリス海軍の軍医・レニーと何とか戦闘が回避できないか話し合っています。
しかし、英国艦隊との直接交渉は実現できず、結果戦闘となり、五代友厚は英国艦隊の捕虜になります。紆余曲折あって五代友厚はこの後潜伏生活を送り、長崎へ戻ってグラバーの元に身を寄せていたと言われています。
五代、薩摩藩英国視察員として渡英
さまざまな事情を勘案したうえで帰藩を許された五代友厚は、薩摩藩から英国に視察員として派遣されます。当然ですが、江戸幕府が許すわけないので密航です。ここでもグラバーが尽力します。グラバー商会の手引きがなければ、この視察は実現しなかったでしょう。
まとめ
宣伝動画の台詞「東洋のマンチェスターを作るんじゃ」。五代友厚が本当にそう考えていたかは定かではありませんが、英国でマンチェスターを視察した五代の胸には、富国への思いが強く刻まれた事でしょう。トマス・グラバーというスコットランドの商人との出会いがもし無かったら、五代友厚は英国に渡れていたでしょうか。人と人との出会いの縁とは、不思議なものです。
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