Richard M. の思い出。あかたんぽな詩人。
・夕方お腹が空いたのでバナナの皮をむいていたら、亡くなった友人Richard Markley のことを思い出した。彼が詩人と同じ会社にいたころ、北カリフォルニアのBelmontにあった拙宅に、奥さんのやすこさんと来てくださったことがあった。こちらはろくに前菜を用意していなかったので、お腹が空いたでしょう?夕食ができるまでバナナを食べててくれる?と尋ねたら、そんなものを食べたら大事な夕食が台無しになるよ、と言ってくれた。Richardは鹿児島弁の博士だった。柿の木があった詩人の実家に訪ねてくれた時、義母が高い枝の上にあった渋柿を彼に取ってくれと頼んだ。(背の高い人だった。)彼は濃紺のジャンパーを熟した柿の汁だらけにして取ってくれた。
昨年のある朝、やすこさんが目覚めたら、彼はベッドのわきの床に横たわっていて亡くなっておられた。前夜までいつもの通り元気にPCをいじったり、生徒さんと会ったりしておられた。享年77才だった。
・昨日の夜また二人と一匹で、都心に帰ってきた。詩人は1日3回はシャワーを浴びて、裸でいる。そう決めたんだそうだ。
ちなみに彼は北欧系で、かわいそうに、今の東京の夏に堪え得るDNAはない。
昨夜はZoom会議でそんな彼が映り込んで慌てて、背景をバーチャルにした。気づかないふりをしてくれたか、気付かなかった参加者に感謝だ。
裸で過ごすと言えば、元愛人のピカソから出版差し止め運動をされたフランソワ・ジローの自伝「Life with Picasso」には、ピカソの命令で、1日南フランスでそうやって過ごしていたことが書かれている。郵便配達員は驚いたそうだ。
とにかく詩人は一人、「(その時のフランソワ・ジローと違って)おじいさんだけど裸なんだ」とか「Sixty is a new forty.(60才は今や40才)」とか言って、森永パルム(アイスチョコレートバー)を食べている。
私は4時起きしたことに満足しているが、昼寝をしたら深く寝て、宇宙船に乗って宇宙に行って仕事する夢を見た。夢の中で、コロナが終わって結構すぐこういう仕事が入った、良かったなぁと思っていた。
昼:きのこときつねとだし巻き卵のそば、紫蘇とミョウガのもりもり載った冷ややっこ
夜:Grigioで。テラスにビーグルの仔犬を連れた米国人の弁護士らしき人が座り、ラップトップでどうも契約らしい文書を開いておられる。ビーグルが遊ぼうと吠えるとうちのコもキャンキャンと甲高い声を挙げる。向かいの化粧品の店のお姉さんたちがそれを嬉しそうに見ている。
時々、今この場にいる人々の誰かになれるとするなら、誰になりたいだろうかと想像することがある。あの右の子になるのは悪くないかもしれない。あらゆる可能性を秘めた若さ。仕事が終われば、小さなマンションの部屋に帰って100均のアイテムで部屋を飾るのだ。
*今日はhidarikikinobabyさんの絵をお借りしました。