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鬼にしか推しが生まれない、鬼滅の刃
ブームの火がより一層一般化した去年
私の友人が鬼滅の刃にえらくはまった。
単行本をすべて買い、本誌も読み始めた彼女は
毎週の展開をラインで送ってきた。
様々な本や漫画を彼女から借りた経験がある私は
その熱に興味を持ち、読んでみることにした。
読めば読むほど、・・・主人公サイドではなく鬼に共感した。
柱のメンバーも個性があって格好いい、
炭次郎たちはとてもいい子。
けれどもどんなに読み進めても、鬼への想いが強まるばかり
絆を求めていた累、鬼になっても兄妹で支えあってきた梅と妓夫太郎
恋人を殺されたアカザ、人の感情を持てなかった童磨、嫉妬に狂った黒死牟
人間の弱さのオンパレード。
鬼になった彼らも、彼らを鬼にしてしまった周りも。
作者の吾峠先生は単行本のブランクページに
本編に盛り込めなかった鬼の裏側についても書いてくださっている。
アニメでも本誌でも見ることができない物語が
単行本には詰まっていた。
不幸にも鬼になってしまった彼ら。
身勝手に人を喰らう、殺す、決して許されることはない行為。
でももし、自分が同じ立場だったら。。。
同じように鬼になることを望むのではなかろうか。
幸せでありたい、あろうと思いながら、
一生懸命生きていながら、そうあれなかった、
かつて人であった彼ら。
切ない・・・・・・・・・・。
私は子供のころから、悲しい物語が好きだった。
理由はわからないけれど、
一番最初に好きになった物語はマッチ売りの少女。
冷たい雪の中で命を落とす彼女。
かなわない幸せ。
自分がそんな境遇になったらつらいのに
好きなキャラクターには幸せになってほしいのに。
幸せになれなかった彼らだからこそ、好きなる。
なんとも矛盾している。
でもきっと、結構な数で同じ思いの人がいるんじゃないかと
勝手に思っている。
まぁ、勝手におもっているからこそ、鬼が全く健闘してなかった
キャラクター人気投票に、ちょっとしょんぼりしてしまった。笑
そうか鬼・・・人気ないのか・・・。
趣向はそう簡単には変えられないし、変える必要もないと思っている。
悲しみに酔うのは嫌いだけれども、
たぶん私はまた悲しい物語に心魅かれるんだろう。
幸せであってほしいと願いながら。
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