ほこみち制度の説明
ほこみち制度とは
ほこみち制度とは最初の記事でもご紹介しましたが道路空間をもっと利活用しやすくするために設けられた新しい制度です。
国土交通省では、道路法の一部を改正する法律(令和2年5月27日公布、11月25日施行)により、賑わいのある道路空間創出のための道路の指定制度として、歩行者利便増進道路(通称:ほこみち)制度を創設しました。
制度の特徴は以下の通りです。
【制度の特徴(メリット)】
〔構造基準に関すること〕
道路管理者が歩道の中に、“歩行者の利便増進を図る空間”を定めることができます。(空間活用に関する関係者との調整が円滑に進むことが期待されます。)
〔空間活用に関すること〕
特例区域を定めることで、道路空間を活用する際に必要となる道路占用許可が柔軟に認められます。
道路管理者が道路空間を活用する者(=占用者)を公募により選定することが可能になります。この場合には、最長20年の占用が可能となります(通常は5年)。
ほこみち制度の事例
大阪市の御堂筋、神戸市の三宮中央通り及び姫路市大手前通りが、全国で初めて「ほこみち」として、それぞれの道路管理者において指定されました。
それぞれの場所の特徴を活かしながら使い方について、地元と行政で話し合い、ルール作りや警察協議を進めているところです。
現在は8自治体22路線で指定がされています。
大阪市御堂筋の事例
御堂筋では万博開催時に向けて側道歩行者空間化の事業を進めています。
事業を進めるにあたっては社会実験実施と、合わせて調査行うことで課題を明らかにし、地元協議で課題の対応策を検討することを順番に行っています。
このように手順を追って、広げている歩行者空間をさらに利活用していくために歩行者利便増進道路として指定し、利便増進誘導区域を指定しました。
指定に当たっては社会実験によって、特例区域検討範囲を設定し、歩行者や自転車の交通量や通行箇所から通行に影響しない幅員設定を検討しています。
結果的には特例区域として滞留・利活用空間を4.0m確保しています。
今後は特例区域の利活用について、現在、御堂筋で指定されている道路協力団体を中心に進めていくことが考えられています。
ほこみち制度の課題
歩行者利便増進施設としては以下のようなものが設置可能とされていますが必ずしもすぐに設置できるというものでもなく、各指定地域で警察協議・道路管理者協議を行い、詳しい運用ルールはさだめていく必要があります。
キッチンカーなどは需要がありますが歩道上に設置できるのかということも課題となっています。社会実験を行い、検証を行いながら、運用方法を模索していく必要があります。
また、歩道だけでなく、時間帯によって車両通行止めとなる車道など商店街のような場所でも運用が可能となるかについても今後、運用方法と合わせて、指定の判断基準が定められていくのではないかと考えています。
ほこみち制度によってさらに、公共空間の利活用が進んでいくことを期待したいと思います!