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公共空間を工事するということ

 今回は工事をしている現場のデザイン管理をした時の事例について紹介します。

工事対象地

 工事対象地の中之島通りは中之島公園の中央に位置しており、周辺には中央公会堂、東洋陶磁美術館などが立地している文化集客エリアであり、多数の方々に利用されている道路です。
「こども本の森 中之島」が整備されることを契機に歩行者の安全性向上、さらなる魅力的な空間創出のため、車を通行止めにし、歩行者のための空間へと再編する事業が行われました。

https://www.city.osaka.lg.jp/kensetsu/page/0000491869.html

歩行者空間整備

デザイン管理と発注者の細やかな対応

 設計時にはデザイン会議が実施され、複数の有識者の意見を踏まえて、デザイン案を作成し、設計が行われました。

 私が担当した業務では過年度設計の照査に加え、施行時の舗装割付図の確認、施行時のデザイン判断の対応等を行いました。

 日々刻々と進む工事の中で急ぎ判断を必要とすることもあり、設計図だけでは見えてこない課題なども出てきたため、とても勉強になりました。
また、発注者の方がとても細やかに連絡をして頂いたおかげでデザインの判断を有識者に確認することができ、対応を検討することができました。

デザインへのこだわり

今回整備の難しかった部分としては3つあったと考えています。
①舗装がこだわりを持ったランダムパターンであったこと
②舗装ボーダーと植栽・照明位置の整合させていたこと
③地下埋設物の影響による整合性を踏まえたこと

 舗装をランダムパターンとする場合、通常では職人さんの技術としてランダムに見えるように複数色の舗装材を配置していきます。しかし、今回はあえてランダムに見せるための法則を検討して舗装割付図を作成し、現場施行する際にも細かな指示を出しました。机上の検討を実際の施工で実現するためには様々な工夫が必要でした。

机上では想像できなかった問題なども発生し、難しい判断を迫られることもありました。施工と設計のギャップを知ることができたため、今後の設計に活かしていきたいと思います。

工事の様子と施工の工夫

現場に行くことが多かったため、工事過程をよく見ることができ、とても面白かったです。現場の方の細かなこだわりの積み重ねで素敵な空間が出来上がると実感しました。

 例えばツリーサークル周りの舗装材の仕上げ、側溝の切れ目や景観枡の舗装材貼り付け、構造物基礎の仕上げなど設計時には指示しきれないような箇所も現場で綺麗に仕上げて頂き、とても感動しました!

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今後の使われ方


 今回の中之島通の歩行者空間化によって、中之島エリア全体の回遊性向上とともに、中之島公園の一体的な空間の創出を図る大きな一歩になったと思います。

今後は整備して終わりではなく、どのように利用者に使ってもらうのか、どのような活用方法があるのかを周辺施設や地域とともに考えていくことが大切になってきます。

完成した様子を観察するとベビーカーを押した家族が並んで歩いていたり、保育園の子供が自由に歩いていたり、縄跳びをしている子供がいたりなどなど素敵な使われ方がたくさん見られました。

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今後もさまざまな人が個性豊かな使い方をできる居心地の良い空間になるよう微力ながらお手伝いできればと思います!

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