不純な動機だっていいじゃない
私は根っからの運動嫌い。だから、学生時代の部活もずーっと文化部。でもそれだけではないんです。
ブラスバンドの夏
小学校のとき。姉が小学校のブラスバンドをやっていて、なんとなくやり始めた。トランペットをしていて、楽しかった。音楽がすごく身近になった。
夏になると港まつりで商店街を歩いたりして。当時メガネをかけていた私は、銀縁が頬の上あたりにあたって、夏の日差しと暑さに頬がヒリヒリとしたのを覚えている。
ジリジリ、ダラダラ、ヒリヒリ。そしてカラカラ。そんなイメージだけが残ったブラスバンドの夏。
満腹な放課後
中学生になって、部活が始まった。カッコいい先輩とか汗を流す青春みたいな運動部は憧れだった。だから運動嫌いだけどテニス部に見学に行ったのだ。当時ぽっちゃりさんだった私は、テニス部の見学に行って唖然とした。
へ~~。ミニスカートだぁ・・・
驚きにも悲しみにもならないような、なんとも切ない気持ちが心の中を渦巻く。体型へのコンプレックスは中学生になってどんどん強くなっていた。
くわえてメガネをかけていて、当時あだ名は「ドラえもん」。いや、メガネはかけてないやろっっ。と今ならばツッコめる。
結局運動部への淡い乙女心は消え去った。所属したのは吹奏楽部。トランペットだ。楽しかった3年間。結局大会でも大きな成果を残すことはなかったけれど、友達と過ごした時間はかけがえのないものだ。
だがしかし。友達と部活帰りに毎日にように寄ったお好み屋さん。甘いお好み焼きのたれは口の中に広がり、育ち盛りの思春期にはたまらない。これのおかげで部活を続けていたようなものだ。おかげで体重曲線はメキメキとうなぎのぼり。
メガネをかけていなくても「ドラえもん」だなと、自分で納得していた。体重はさておき、友達とお好み焼きのおかげで満腹な放課後である。
不純な動機
高校生になって、運動嫌いなんだからもういいやと諦めてた。だけど吹奏楽もめちゃくちゃやりたいわけではないぞと思案していて。いくつか見学に回ってみた。演劇部で体験をさせてくれたのだが、これがドはまり。「楽しい!!」そう思えた。
ところがだ。吹奏楽部にも一応行っとこうかと覗いてみると、全体練習をしていた。なんとなく中学の懐かしい思い出がよみがえってきて、「やっぱいいよなぁ。」とたくさんの楽器の音色で心地よくなっていた。ふっと正面をみると、
うわぁぁぁ。カッコいい~!!
指揮をしている先輩に一目ぼれしてしまったのだ。即入部を決めた私。毎日先輩に会うために、せっせと通いました。先輩は指揮者を目指しているだけでなく、お父様の影響でサックスがとてつもなく上手で、先輩に憧れての入部者が私のほかにもたくさんいたのです。。
入部半年後、トランペットをしていた私は、憧れだけで入部した誰かがやめた後のサックスに空きがでて、楽器を変えてもらった。う~~~ラッキー!
ところがそうは上手くいきません。初めての木管楽器は難しく、高い壁でした。徐々に嫌になり、時々休むようになったのです。
ある日覗いた体育館。舞台では演劇部の練習。他の運動部が練習している中で、なんだか場違いな気もしたけれど、みんな一生懸命だった。遠くからぼっと眺めながら「演劇部にすればよかったかなぁ」なんて思っていると、わあ、カッコイイ先輩発見!それは部長さんでした。
ちょっと味見したっていいじゃないと自分勝手な解釈で演劇部にも顔を出してみたりして。部長さんに会いに何回か通いました。ところが、彼女がいることを知り、恋心は一気に冷めてしまった。
その後すぐに吹奏楽部に戻り、なんとかサックスを頑張りました。指揮者目指している先輩は最終学年で部長となり、高校3年夏に引退。それと同時に私も引退・・・
不純な動機でもいいじゃん。楽しく部活を続けることができました。