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472.「働き一両 考え五両」上杉鷹山の名言から自分を問う

「為せば成る、為さねば成らぬ、何事も、成らぬは人の為さぬなりけり」

一度はどこかで耳にしたことがある名言だろう。

江戸時代の米沢藩主、上杉鷹山の残した言葉である。

困窮した藩を優れた手腕で救った、当時の名リーダーの一人である。
ジョン・F・ケネディ元大統領が最も尊敬する日本人の政治家として名前を挙げたことでも有名だ。

そんな上杉鷹山は、こういった名言も残している。

働き一両
考え五両
知恵借り十両
コツ借り五十両
ひらめき百両
人知り三百両
歴史に学ぶ五百両
見切り千両
無欲万両

これは仕事観についてすべてを表している素晴らしい名言のように思う。

個人的解釈ではあるが、これを順番に読み取ってみようと思う。

まずは考えて働く

なぜ頭を使う人の方が市場価値も給与も高いのかというと、考えることはとにかく過酷で、労働は逃避だからである。

単に働いているだけになっていて、先にお金も時間もメンタルもかけていない人が働いたら何かを得ている、という構図になっている。

考えたらわかる話だが、なかなか実践している人は少ない。

だから働きは一両で、考えが五両なのだ。

考えるというのは、今ある仕事ややることをどううまくできるかとか、より効率的にとか、そんな話ではなく、ゼロからイチを生み出す考え方であるか、自分が仕事を生み出す側にいるのかどうか、という点だ。

まずは考えるところから、価値は増えていく。

あなたは何を考えて仕事をしているだろうか。
与えられた場所で工夫するだけに留まっていないだろうか。

まずは考える。
そうすると、思考量が自負をつくる。

次のステップはそれからだ。

人のつながりが救う

知恵借りも、コツ借りも、人知りも人を介している。

ひらめきは管理下にないので、圧倒的な思考量の末に降ってくるのを待つしかないが、それもまあ考えて知恵やコツを借りた先の話なのかもしれない。

知恵を借りる、コツを借りるというのは人生の指針となる人の存在がいるかどうかが大事だと考える。

プロ野球の世界でもどれだけ優れた選手ですら参考としている先人がいる。
経営者も大抵の場合は師匠と呼べる人、教えを乞うている人が存在している。

そうして仕事を進めていった先に、よりスケールしていくには人を知っていること、人のつながりがどれだけ豊富かを示している。

師弟関係だけでなく、共により成長、拡張していく存在となる人がいることが、知恵とコツとひらめきの先の三百両に値するのだろう。

やらないことを決める

歴史に学ぶことと、見切りに関しては、やらないことを決める、という解釈もできると考えられる。

歴史に学ぶのは、歴史でうまくいった人、うまくいかなかった人、数々の成功や失敗を通して今の自分に生かすことだ。

見切りに関しては、自分の何を見切るか。
身体は一つで時間は全員に24時間で、物理的な限界が来ることは必至である。

そのときに、何が本当に大切なものなのか、自分の人生の最も高い優先順位のものが何なのか、見切るタイミングも来るかもしれない。

やらないことを決める。
これはより大きなことを成し遂げるには非常に大切な観点となってくる。

無欲という境地

私利私欲の全くないお坊さんみたいになれという話ではないと思うが、無欲とはある意味何か成し遂げたいことだけを一点集中で見ることなのかもしれないとも思う。

その達成以外、その実現以外のことには脇目もふらず、そのことだけに集中している状態。

欲がない人間はいないわけなので、もしかしたらきっとそういった解釈もできるかもしれない、と感じた。

いずれにせよ、この名言は仕事をするうえで、キャリアアップするうえで、自分の人生をより良くしていくうえで、とても大切な教えだと思う。

ぜひ、それぞれ自分自身に当てはめて考えられればと思う。

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