見出し画像

テディ・Dと親友フローニ10-サイレント・ネオ外伝-

しかし、その薬は非常に強く、依存性と副作用があった。薬が切れると禁断症状が現れ、精神のコントロールがきかなくなった。
また、薬に耐えられない子供たちは頭痛を訴えたり、吐き気を催したり、奇怪な行動を取ることもあった。そして、次々と薬に耐え切れずに死んでいった。

先行配信中

10

フローニもそんな一人だった。
フローニは人を殺すパイロットなど目指していなかったし、彼女は人を癒し喜びを与える歌手を夢見ていたのだ。
だから、ことあるごとに反抗していたため、職員にも目をつけられていた。

それはさだかではないが、職員は不要と思う子供や反抗的な子供に対して、濃度を高めた薬を打つという噂があった。
噂の真意は確かではないが、フローニはよく頭痛を訴えるようになった。
屋上にもめったに姿を現さなくなり、彼女の瞳から反抗的なあの燃え盛る炎を見ることもなくなってしまった。
フローニはどんどん衰弱していき、ついには研究の日課に姿を現すことはなくなった。

テディ・Dは3階にあるフローニをたずねることにした。
フローニはたいてい寝ており、テディ・Dに気が付くとかすかにほほ笑んで「ありがとう」と言うだけであった。
それが一週間も続いたある日だった。

14話まで先行配信中

オジャム編

オジャム・脚本編

オジャム・朗読編(By虹倉さん)

BGM


いいなと思ったら応援しよう!

遥ナル
ご覧いただきありがとうございます!

この記事が参加している募集