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春待つ桜

 桜は、寒い時を数えて花を咲かすという。

 どうみても莟!私たちも待っているよ

サクラ

 ビルの谷間に桜の大樹
 昔の人が心を込めて植えた花
 山谷ならこぼれ種もあるものを
 桜の思いはどこにあるやら、それでも町場は心待ちする

サクラ
サクラ2

 花は美しい桜だけれど、材も・・・材になれば美しいけれど。
 折れやすい、虫に弱い、すぐに傷つき直らない(ベタベタとした蜜が絡み、またも虫たちが群がるという)。
 根元が空洞など、よくあるはなしで

根元の空洞

 膨れて

サクラの幹

 弱っては新しい根がでてくるらしく
 狭い土地に必死で生きて
 余分な根は切られたのかもしれない

サクラ
サクラの幹
サクラの幹

 子どものころ、庭にヤマザクラが生えていて。
 もちろん、実生ではない、祖父が選んで植えたのだ。
 ソメイヨシノは好きではない、と、昔ながらのヤマザクラを選んだという、それも自慢で。
 ヤマザクラの幹にはベタベタと蜜が噴き出し、ごつごつしていて。幹だけ見たら、隣のケヤキの方がよっぽどきれいだった。

 芽生えから花、そして散るまで、ため息が出るほどきれいだった
 とはいえ、記憶は美化されるというから、ほんとうはどうだったのか。
 半世紀も前に切られてしまった。道路をひろげるためだったか、枯葉が迷惑だったのか、ヒトの都合で。

 そうそう。

 桜伐る馬鹿梅伐らぬ馬鹿と念仏のように唱えていたけれど、下の方の枝がいつの間にか消えていたのは、切る人がいたのだろう。

 

春待つサクラの

 9カ月も前の記憶をたどりながら、散歩のついでにおもわずチェック。
 ソメイヨシノ、ヤマザクラ、枝垂れ桜
 どの木も桜のつぼみに見える

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