剣客商売第3巻 第6話「婚礼の夜」
池波正太郎著「剣客商売」は、江戸の町を歩いている気にさせてくれます。場所の書き方がとても具体的なのです。
地図で探してみようと思いました。願わくば自分の足でも。
どうぞご一緒に。
第6話 婚礼の夜
地図1
➀四ツ谷で不穏な事件、傘徳は情報を求め賭博場へ(松平肥前守下屋敷)
②③最初の事件は僧侶の惨殺死体、②寺名③現場
④賭博場の帰りに不審な会話を聞いた場所(➀のすぐそば)
⑤⑥怪しいヤツ(浪人)の住処
地図2(同じ地図の北部分)
⑦浅岡鉄之助が出稽古に赴く、小出信濃守の下屋敷の場所
雑司ヶ谷・鬼子母神の近く。歩いていくのであるから、襲撃する場所はいくらでもある。 ※縮尺は大体上の地図と同じ。
抜書+切絵図
211)傘徳こと、傘屋の徳次郎は、➀千駄ヶ谷にある松平肥前守・下屋敷(別邸)内の中間部屋でひらかれている博奕場にいた。好きでもない博奕場へ現れるときは、四谷伝馬町の御用聞き・弥七がつとめる「お上の御用」のため・・
切絵図、こちらは、「内藤新宿千駄ヶ谷」絵図
青い筋は、玉川上水
先ごろ、②四谷・南寺町の妙行院という寺の僧が③鉄砲坂で惨殺された。
213)徳次郎は、玉川上水辺(べ)りにある④順正(じゅんしょう)寺という寺の横手の細道をぬけようとした。
はっと身を引く・・浪人者の密談
215)「それがな、今日は奴め、六郷屋敷を出てから浅草の橋場の先の、汚ねえ道場を訪ねて行ったよ」
心当たりは・・大坂の天満の近くの一刀流・柳嘉右衛門先生の道場の食客、浅岡鉄之助。今は金子道場の食客・35歳。父は越前・福井の浪人で、鉄之助22歳で死別。天涯孤独。士官の口が養子の口(婿)。
220)西山団右衛門は、出羽の国・本庄2万余石・六郷兵庫頭の家来で、俸禄は五十石二人扶持、江戸藩邸の武具奉行をつとめ、温厚実直な人柄。子はひとり、千代乃という娘。江戸藩邸は、金竜山・浅草寺(浅草観音)裏手。
切絵図は、六郷屋敷:金竜山・浅草寺の真裏のようだ。
224)傘徳がつけた浪人は、⑥代々木八幡裏の百姓家に入って行った。
226)「親分、市谷田町三丁目の菓子舗(みせ)〔高砂屋忠助〕、皆殺しに」:両方とも市ヶ谷で、半五郎さん(御用聞き)の縄張り
231)武蔵国・豊多摩郡・代々木村は、いまの渋谷区代々木のことで、現明治神宮及び代々木公園の西側に、⑤代々木八幡宮がある。
むかし、このあたりは代々木野とよばれた原野で、丘陵や森、林のつらなりが、それこそ「果てしなく・・・」という感じであったそうな。
代々木八幡宮は、建暦2年(1212)に、鶴ケ岡八幡宮を勧請し、小詞をいとなんだのが創めというが、小高い岡の一帯が境内となってい、杉・松の木立が鬱蒼として、これを包んでいる。
代々木八幡の岡と谷間をへだてた東側に、このあたりでは〔荒井山〕とよんでいる小さな岡があり、この裾に、件の浪人どもが巣くっている荒れ果てた百姓家があった。
大坂(さすが江戸時代、阪が違う)の悪事。その後、高砂屋を襲ったのも浪人たちと判明。
245)(浪人たちは)月のうち何度か、金子の代理として、浅岡鉄之助が出稽古に行くことを突き止めた。江戸の西郊・豊島郡・雑司ヶ谷村にある⑦小出信濃守の下屋敷。
250)襲撃の前日。大治郎は平山と対決。弥七も加勢し切り捨てた。
・・雇われ浪人4人も、この夜のうちに逮捕された。
258)浅岡鉄之助と千代乃の婚礼はこの年の初秋のことであった。
月が冴えている。
あとがき・予告
本記事は第6話のみにて完了といたします。
引き続き、第7話 深川十万坪を次記事にまとめていきます。
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〇地図説明
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地図A
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