アオキとヤツデ
葉っぱが八つ(たくさん)に開いているから(切れ込みか?)ヤツデ。
天狗の団扇によく似てる。
神社の杜の入口に、アオキとヤツデ。
アオキもヤツデも、祖父の庭に鎮座していた茂み。日陰の庭で、今考えて見ると、日陰に強い植物ばかり植わっていた。
祖父の池には岩松が青々と茂り、それは子どもの私にとっては当然のことだったけど、日当たりのよい(そして設えの良い)庭の家の岩松がいつもチリチリとしているのを見たら、いかにも日陰の庭だったのだと、かつ、毎朝祖父が水をやっていたのだと思い至る。
バランとトクサ、イタイキ(名知らず)、そうそう、ギボウシ。シランとシダ。シダ、古代世界のミニチュアみたいな(空想して遊んだな・・・)。
ふさふさの苔も丹精していたっけ。私がほじくると嫌な顔をしたけど、いまにしたら、丹精を無にしていたとわかる(ごめん、じいちゃん!)。
アオキの実の赤いのが好きだったけど、子どもながらに欧米のガーデンが好きだった私にはアオキやヤツデのよさはわからなかった。ただ、暗い茂みのなかでキラキラ反射していたことぐらい。
日向ばかりのビル街では、神社の杜の茂みの暗闇も憩う。懐かしく心が浮き立つ。浮き立つのは変だよね?落ち着いて平安?幸せ?