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ジェネラル・ルージュの凱旋

鑑賞時の感想ツイートはこちら。

2009年の日本映画。『チーム・バチスタの栄光』(2008年)の続編として映画化された医療ミステリー作品です。

主な出演は、竹内結子阿部寛堺雅人。監督は『アヒルと鴨のコインロッカー』、『ゴールデンスランバー』の中村義洋。

原作者はお医者さん

本作は、海堂 尊(かいどう・たける)の同名小説が原作。

作者の海堂尊さんは "現役のお医者さん" と聞いて、納得! 『チーム・バチスタの栄光』、『ナイチンゲールの沈黙』など、大学病院を舞台にしたシリーズを多数執筆しており、本作もその中のひとつです。

田口&白鳥コンビが笑えます

本作をあえてカテゴライズするなら「医療ミステリー」という感じでしょうか。大学病院の内部組織である「倫理委員会」に、ある告発文が届くところから物語が動きだします。

告発文に書かれた内容は真実なのか?

――その真相を明かしてゆくのが、倫理委員会のお飾り委員長・田口医師(竹内結子)と、厚生労働省の役人・白鳥(阿部寛)。

田口&白鳥のコンビを主軸として描かれるのが、このシリーズのお約束らしいです。

わたしは前作『チーム・バチスタの栄光』は観ていないのですが、前作を知らなくても

「ああ、この二人が主人公なんだな」
「前のお話でも、二人が何かお手柄を立てた事件があったのだな」

と、登場人物たちのセリフから推測することができました。

医師なのに血が苦手で、おっとり "ぼ~っ" としている心療科医、竹内結子さんのキャラクター。
「ロジカルモンスター」とあだ名され、高学歴が自慢で口が達者な厚労省の役人、阿部寛さんのキャラクター。

二人の掛け合いが面白いです。笑

しかし、アベちゃん(急に馴れ馴れしい)は、こういうコミカルな変人の役がハマりますね~!『TRICK』の上田しかり。『結婚できない男』しかり。わたしはわりと好きです♩笑

本作は「医療ミステリー」であって「コメディ」ではないのですが、人の生死がつきもので否が応にも重く劇的になりがちな医療モノにおいて、くすっと笑わせてくれるシーンが効いています。ほっと息継ぎできる感じ。

堺雅人さんが素敵♡

ところで、タイトルにもある「ジェネラル・ルージュ」って何?
気になりますよね。

大学病院の救急救命センター長・速水医師(堺雅人)の異名なのです。病院内では「血まみれ将軍」が由来だと噂されている暴君で、どんな救急受け容れ要請でも受けてしまうため各部署に敵が多い人物。

本作では田口&白鳥コンビより、実質的にはこの速水医師が主役。いつもチュッパチャプスを舐めているんですよね~。(チュッパチャプス、なつかしいなぁ)

不敵な微笑を浮かべながら、挑戦的な上目づかいで相手を睨む顔。堺雅人さんお得意の表情ですよね!

さすがにいろんな作品で観すぎて「んん~、ちょっとワンパターン化してきた……?」と思うこともありましたが、やっぱり素敵な役者さんだと思います。

多くの作品で "お馴染みの表情" が出てくる―― という背景には、

"その表情" は、その役者さんならではの良い演技である。

良いものは自分の作品にも取り入れたいのが製作者の心情である。

結果的に、多くの撮影現場で "その表情" を求められる

ということもあるのかもなぁ……と想像します。

役者さんの演技のこと。

役者さんにもいろんなタイプがいらっしゃいますよね。
わたしは勝手に次の3つに分かれるのかな~、と思っていて、

1|役によって毎回違う演技をする人
"デニーロ・アプローチ" などは有名ですよね。ゲイリー・オールドマンもこのタイプに入るかな? あと、地味だけれど『ミスト』、『ジョー・ブラックをよろしく』のマーシャ・ゲイ・ハーデンは挙げておきたい!
日本の俳優さんですぐに浮かんだのは、最近の人では窪田正孝さん、山田孝之さんかなぁ。
2|いつも同じ演技をするがそこに存在価値がある人
笠智衆さんとか! ご本人そのものに "味" がある役者さんですよね。藤原竜也さんも、叫んでくれないと無駄遣いしているような、勿体ないような気がしちゃう。笑
3|いつも同じ演技で「う~む……」と思う人(ごめんね!)
小林稔次さん、沢口靖子さん、など。

・・・

堺雅人さんは「3」には入って欲しくないなぁ。笑
お馴染みのパターンとは違う『南極料理人』とか、好きですよ♡

作品全体としては "2時間ドラマを豪華にした感じ" ではありますが、充分に楽しめました。ただ、最後のシメがありきたりで安っぽい気も……。"映画" と思って観るには、ちょっと物足りないかな? という印象です。


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もり はるひ
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