レオン
鑑賞時の感想ツイートはこちら。
1994年のフランス/アメリカ映画。ニューヨークを舞台に、孤独な殺し屋レオンと麻薬密売組織に家族を殺された少女マチルダが心通わせてゆく様子、そして復讐の戦いを描いたバイオレンス・アクション作品です。原題 "Léon"。
主演は、本作をきっかけに大ブレイクした、ジャン・レノとナタリー・ポートマン。共演に『ハリー・ポッター』シリーズ、『裏切りのサーカス』のゲイリー・オールドマン、ほか。
監督は、『グラン・ブルー』、『ニキータ』、『フィフス・エレメント』のリュック・ベッソン。
ジャン・レノのこと。
以前から映画好きの間で「良い」「良い」と評判の本作『レオン』。リュック・ベッソン監督の代表作と言えるでしょう。なのに、公開から20年以上もの間、わたしが観るのをためらっていた理由は(公開:1994年→初鑑賞:2017年)なんとなく主演のジャン・レノに対して持っていた
という勝手なイメージゆえ、でした。(ジャン・レノ様、ごめんね!)
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1990年代後半~2000年代にかけて、あそこまで日本で “ジャン・レノ・ブーム” が起きていなければ、わたしの印象も「フランスの映画俳優さん」という正当な認識だったと思うのです。
ところが、当時の日本のメディアでは、映画『レオン』でブレイクした俳優「ジャン・レノ」をやたらと特集し、テレビでも、雑誌でも、とにかく見かけない日はないほどの盛り上がりがあったと記憶しています。なんていうのかな、取り上げ方が “猫も杓子も” 的、“ミーハー” 的というか……。
二匹目のどじょうを狙って(?)全盛期の広末涼子と共演させてみたり、
「ドラえもん」のコスプレをさせてCMに起用してみたり、
キャリアを持った俳優として、というよりは、“お茶の間の人気者” として日本メディアからもてはやされていた感があり、その影響もあって
「この俳優さんの演技を、ちゃんと作品で観てみたいな」
と思う機会が得られなかったような気がします。
当時の世相から受けた勝手な思い込みとはいえ、そのせいでこんな名作を見逃していたとは、なんとも勿体ないことです。20数年後、気が変わって『レオン』を「観てみよう」と思った 2017年のわたし、グッジョブ!笑
登場キャラクターがイイ!
本作は、ニューヨークの街を舞台に、孤独な殺し屋と孤独な少女が心を通わせてゆく物語。
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レオン(ジャン・レノ)は一流の殺し屋。寡黙で孤独。情け容赦ないアクション・シーンのハードボイルドさに反して、日常生活を送る彼は静かで、精神的な無垢さを垣間見せる。
この「していることと中身のギャップ」が魅力なんですよね~♩ 唯一の友達は、部屋で育てている観葉植物。学が無く、字が読めない。好物はミルク。どれも「殺し屋」のイメージとはかけ離れています。
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マチルダ(ナタリー・ポートマン)はレオンと同じアパートで暮らす12歳の少女。父は麻薬に絡むギャング。母は継母。身の回りにドラッグや暴力が当たり前のようにある環境で、典型的な機能不全家庭の子ども。
だから大人びている。演じたナタリー・ポートマンは当時13歳。既にこの美しさ。ボブのヘアスタイルと黒いチョーカー、印象的でしたね♩
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本作でブレイクした後も『スター・ウォーズ』のアミダラ役、『ブラック・スワン』など、着実にキャリアを重ねている彼女ですが、2019年のインタビューでは本作についてこんな発言も。
――というのも、近年のコンプラ(compliance)やポリコレ(political correctness)への意識の高まり、それに加えてインタビュー当時話題になっていたリュック・ベッソン監督への牽制(*参照)など、いくつかの背景があっての発言のようです。
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一方、インタビュー内でこのようにも述べています。
良かった!(ほっ)
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余談はさておき、わたしが思う本作の一番の見どころは、レオンとマチルダ、二人のキャラクターの交流ではないでしょうか。
と、感想ツイートにもあるように、この年の差コンビの不思議な共同生活が
可愛い可愛い!♡笑
いえ、ね。本作を観終わった後よくよく思い返してみると、どうしてもね、「中年男性」と「少女」という本作の設定について、ある割合の大人は考えちゃうと思うのです、不純な何かを。レオンとマチルダの関係性に「そんなん、あるかい!」って、ね。
そんな考えがふと頭をよぎってしまう自分が悲しい……。嗚呼。
「汚れつちまつた悲しみに」(by 中原中也)ですね。笑
けれど、観ている間はそんな汚れつちまつた考えなど浮かばないほど、二人の間柄を “純粋な心の絆” としてきちん描けているところがスゴイと思います。
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麻薬取締局の刑事、スタンを演じるゲイリー・オールドマンもキレッキレの怪演を見せてくれます!
ゲイリー・オールドマン、好きなんですよね~♡
「マイベスト映画悪役」にも挙げるくらい、『レオン』のゲイリー・オールドマンが大好き♩
ほんと、悪役がイキイキ演じている作品は、良い映画。そう思います。
ドミニク・ミラーの音楽が切ない♩
映画『レオン』といえば切っても切れない名曲が、スティングの『Shape of My Heart』。
この哀愁を帯びたギターの美しい旋律は、長年スティングと共に活動していることで知られるアルゼンチン出身のギタリスト、ドミニク・ミラーさんによるもの。ジャズ界隈でも有名な方です。
実はわたし、ドミニク・ミラーさんのギターが大好きで、いくつかアルバムを持っています。このアルバムとか、結構お気に入り。
はぁ~、落ち着くわぁ~♩
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そもそも、わたしがドミさん(と、勝手に親しみを込めて呼んでいます)のことを知ったきっかけは、『Harmonious』という坂本美雨さんの2枚目のアルバム。この中の収録曲 "one more second" がとても素敵だなぁ、と調べたところ、ドミさんが作曲しギターも演奏されているとのこと。
だから、映画『レオン』を観て、最後の最後、あの耳に馴染んだドミさんのギターの音色がフェードインして聞こえてきた時は、喜びでゾクゾクっとしました。
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今回の映画noteは、あっちこっちに話が飛びながら(いつもかな?笑)『レオン』のこと、おしゃべりしてみました。もし機会があれば、ぜひチェックを。おすすめです♩
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