受講レポート「経営戦略研究科・ビジネススクール初日の授業に行って来ました。」
受講レポート「経営戦略研究科・ビジネススクール初日の授業に行って来ました。」
2023年4月8日。この日から私のビジネススクールでの授業が始まりました。土曜日に2科目、そして月曜日の夜に1科目という計3科目(週600分授業)という軽いスタート。4月から5月にかけて、3月までに依頼されていた案件がいくつか入っていてそのスケジュールを考慮すると、どうしても軽めにせざるを得なかったという事情がありました!
2月まで在職していた会社で行っている新人向けの研修、そしてあるクライアントの広告案件の相談、さらにはギャラクシー賞の毎月の定例会と通年の審査と受賞式への参加、そしてあるアート系のアワードの審査&贈賞式の予定などが既に入っていました。
さらには3月末に大阪に引っ越そうと思っていたのですが、引っ越し屋さんが人手不足で出来ませんということとなり、30年以上ぶりですが、4月末の引っ越しの準備と実際の引っ越しが重なっているという状況でした!そんな中、実家に泊めさてさせてもらい、梅田キャンパスに行きました!
ワクワク、ドキドキでした!
早めに行ってPCのWIFIとプリンターの設定をしようと思って8時過ぎに行ったらまだアプローズタワーの14階にエレベーターが止まりません。仕方がないので梅田駅周辺を久しぶりに歩いてみました!さらには地下鉄の中津駅にも行ってみました!中津駅からだと徒歩4分くらいというのを同期のLINEグループで教えてもらったので確認に行きました!そうこうしているうちに、8時半を過ぎたので、梅田芸術劇場のタワーに行くとエレベーターが14階に止まるようになっていました!
大学院、初の授業は小川進先生の「マーケティング・マネジメント」というものでした!
授業は基本1コマ100分で、2コマ連続で行われます!2コマ連続は意外と良く、時間配分が200分の中で柔軟的に対処できます!
しかしながら土曜日にフルで授業を取ると100分×6コマとなり何と10時間も講義を聴く!ということになります!
そして、授業の前後に課題がありさらには科目によってはグループワークがある!!!そういう状況を想像するだに、
オリエンテーションで教務担当の方が1クオーター3から4科目でとおっしゃっていたのが実感を伴うようになりました!
小川先生のお書きになった本「はじめてのマーケティング」(@千倉書房)を学校に行く前のバスと電車の中で読んでから行きました!
これは「マーケティング」というもののエッセンスがわかりやすく書かれているものでした!北村裕花さんのイラストがかわいい。
実はここで書かれていることを詳細に分析し解き明かしていけばかなり深いものであるということが、実は、授業後に理解出来ました!
最初は小川先生が自らの自己紹介をされて、その後、小川先生がファシリテートしながら参加者のみんなをあてて各人が自己紹介をするというものでした!様々な場所から様々な業界・仕事の方が集まって学ぶということの面白さは、その「人」にたいする好奇心ということが加わるからやな!ということを実感しました!1年先輩の方々も同じ授業を取られており、さすが1年学んでおられる方の授業での応答ややり取りを見て、すごいなああ!と驚くことしきりでした。あと、授業中に思ったのは講義の中でまじめな話をしているんやけど「笑い」の要素が確実にあるということです!
これこそ関西のおもろいところ。
東京の学校での授業とは違う独特の雰囲気が関西で育った私にはとてもありがたいものでした!
この日の授業でとても感銘を受けたのがコトラーのマーケティングとはの「定義」について詳しく教えていただいたこと。
コトラーの定義を引用します
「当該組織と利害関係者に利益をもたらすべく、顧客に向けて価値を創造、伝達、提供し顧客関係を構築する組織的な働き及び一連のプロセスである」
とのこと、英語の原文が
にありましたので、これも引用します。
「Definitions of Marketing – Definition by Philip Kotler
Marketing, more than any other business function, deals with customers. Creating customer value and satisfaction are the heart of modern marketing thinking and practice. Marketing is the delivery of customer satisfaction at a profit. The two fold goal of marketing is to attract new customers by promising superior value and to keep current customers by delivering satisfaction.」
というものらしいです!
では、これは、どういうことなのか?を小川先生が詳細にお話されました!言葉のディテイルの奥の奥に本質的な意味が隠されておりそれに気づけるとこの定義の意味がとても深まるんやな!ということを教えて頂きました!
灘校の先生で橋本武さんと言う方が「銀の匙」という小説を中学の3年間かけて教えるという伝説の授業をされたてました!そこに書かれてある意味や歴史的なことなどを調べながら丁寧に読み解いていくという究極のスローリーディングです!情報社会に多くの情報を消費するだけでなくきちんと理解して考え自らの「血と肉」にするということを、橋本先生も、この日の小川先生もおやりになっているのではと感じました。本質を理解して自分の頭で考える人を育てる教育とでも言うのでしょうか?
授業の中で小川先生に企業の持つ5つの利益という損益計算書に出て来る用語があるんですがその質問をされました。まずは粗利(売上総利益)そして営業利益ときて経常利益。次の利益は何ですか?と質問されたので「税引き前利益です」と答えました!それ自体は正解なのですが、税引き前利益とは(正確には「税引き前当期純利益」)経常利益に特別利益や特別損失を加算したものであり、それを相殺したものであるということが、とっさには出てきませんでした!本質的なことを私が理解していないという証拠です!
そして、そこから法人税を支払いそれの受益者が国税庁などの税務署(ひいては国家や地方自治体なのでしょうか?)であるということを理解しないといけないですよ!と教えていただきました!そして税金が引かれ、最後に残るのが当期純利益であり、それを受益するのが株主なんですよ!ということをお話していただきました!
このようにかみ砕いて個々に対応して学ぶということの貴重な体験は、やはり、ちゃんと学費を払って時間を共にして学べているんだ!という喜びを感じることが出来ました!
自分のために学ぶということがこの歳になってやっと出来てるのかも知れません。
単位だけを要領よく取って本質を理解しないままただ卒業するだけの私の学びは何の意味もなかったのでは!みたいな、ことをこの歳になって痛感しております!
実家で作ってくれた「おにぎり」をサロンで食べてPCのプリンタ設定をして、次回の小川先生の課題である英語の論文を紙で出力させていただきました!(経営研究科の院生はプリンターが自由に使えます!)
午後は13時20分から16時40分までの大内章子先生の「人的資源管理」の授業でした!人的資源の大切さが最近特に言われるようになりました。この日の授業の最後の方で大内先生もおっしゃっていましたが、
上場企業が4半期に一度出している有価証券報告書に「人的資本情報を開示すること」が義務付けされました!そして2023年3月からその「情報開示」が行われるようになりました。
ここでは「働き方改革」などをはじめとする会社の人的資本?資源?をどのように管理マネジメントして多様な人材が持続可能により良く働くことが出来るのか?そのためには企業はどうしなければならないのか?を実践を踏まえて学んでいくというものです!
大内先生も以前、大手総合商社の一般職をされておられ、月に100数十時間以上の残業をされていたそうです!
私の居る広告・映像業界では、東日本大震災後の2013年にNHKの女性ディレクターが過労死をされました!
そして2015年に電通にいた高橋まつりさんが過労で自死をされました。
これらの事件が重なって世間の関心を集めることになり「働き方改革」という言葉が広く使われるようになりました!
それ以前は「寝ない自慢」とかをする強者の方も居て「ショートスリーパー」でない私はいつも長い労働時間で睡眠時間が短いことが辛かったです!映像業界などは、さらに「やりがい搾取」などという言葉で、ヒトを楽しませる仕事をしているんだから長時間労働でも多少給料が安くてもいいだろう!みたいな風潮があったのも事実です!
しかし時代は変わりました!多くの人たちがこの業界を目指してくれて普通に仕事をすることが出来る環境にならなければ持続可能性は失われてしまいます!20数年前の1997年あたり私が30歳代の半ばにロスアンゼルスにある関連会社に3か月出向させていただいたことがあります!そこで感じたのは米国での映像業界での撮影システムがその制度設計なども含めて「働き方」がちゃんと考えられていたことでした!土日はその時から1・5倍から2倍の給与になること。徹夜の撮影のあとは十時間以上だったかのインターバルを取ること。食事は温かいものを出すことなどなど。そこでは当然女性も普通に働けています!20年ほど前ですが、私たちの業界にも女性はたくさん入って来るのですが、体力的なことや結婚出産のタイミングで実質的に働けなくなり優秀な社員が辞めていったのを多く経験しました!現在、韓国ではこうした海外標準のグローバルな働き方が普通となって来ています!日本でも是枝監督などが働きかけそれらの「やりがい搾取」を是正して普通に働ける環境を作るための団体が設立されました!「日本版CNC設立を求める会」というものです!詳細は以下を参照ください!
https://news.yahoo.co.jp/articles/e9b939a534a2a4c330402c69649edbe04d4a0576
「人的資源」というと何かモノのような印象がありますが
英語では「Human Resources」だそうです!
人事の部門をHRというのはここから来ているんですね!
何故「人的資源」という言葉を採用したのかが学びの初心者には気になりました!外国語の日本語翻訳で本当に大きな意味が決められてしまうというのは明治維新後以降の翻訳文化の功罪のような気がしますが、みなさんはどう思われるでしょうか?
とは言えこの「人的資源管理」というのはこれからますます大事になっていくのではないか?と思うので大内先生の熱量も含めて履修させていただくことにしました!ここ数年以上、自社の会社の人事の方々と研修を通じていろいろな交流をさせていただく機会に恵まれ、そこで感じたのは、人事は大きな経営戦略のひとつなんやな!ということです!
授業の最後に1か月後に発表するべくグループワークの課題が出てグループ分けが行われました!テーマは
「「自分の職場の働き方を改革する!」多様な人材が働く中での働き方改革とは誰のための何のためのものなのか?あなたの会社で取り組んでいる働き方改革の課題と実践的な解決策を発表してください。(以上)
というものです!この大内先生の授業はハイフレックス授業というものでオンライン&オフラインで授業が行われるんですが、教室にいる履修生も全員PCにつなげてZOOM画面を見ながらやるというものでした!
なので、グループ分けはブレイクアウトルームを任意の数に分けて自動的に割り当てるというものでした!そこで5人グループが出来、授業後、全員が教室に居たので名刺交換を行い、そしてライングループを作って次回のオンライングループ打合せの時間を決めてこの日の講座は終了しました!
「マーケティング・マネジメント」の小川進先生は毎講義、授業前と授業後に課題提出があります!授業後の提出は授業のあった日の24時までに提出するというもの!なので、授業後の16時45分くらいから17時半くらいまで集中して自習室で一気に書き上げ、推敲して、小川先生に提出。
その後、初めて同期と先輩たちが集うアプローズタワーの地下一階にあるパブ「HUB」にて1パイントのビールと生ハムのおつまみをいただきました!そこには26歳から私のような60歳を超えたものまでが集まり、多様な業界の多様な話をしながら、同じ修了という目的に向かっているという志を同じくする集まりがそこにはありました!「HUB」はキャッシュ・オン・デリバリーなので完全に割り勘性となり、この公平性と、それだからいつ抜けても気を使わない、いつ参加しても大丈夫というのはとてもいいな!と思ったのでした!こうして通学初日が終わりました!