全てを台無しにしている

 仕事を休む前、しんどくてしんどくて全部ほっぽってなにもしないで過ごしたかった。今それが叶っているわけだけど、全てを台無しにしている気がする。

 私は着る服を選んだり、化粧をしたりすることが割と好きだし、使っているものは安物でもスキンケアを丁寧にするように心がけてきた。お風呂あがりにその日の気分や肌の状態で好きなパックを選んでつけることで癒されていたし、気に入った服を着てちゃんと化粧をしてお出かけすることでしか得られない自己肯定感がある。でもメンタルが疲れ始めた時、化粧をして1日過ごして、夜になったら落として、また次の日化粧をするのが、全部無駄に思えた。化粧をするのも、落とすのもしんどくて、お風呂も歯磨きもしんどい。だんだんお風呂に入れなくなって、朝の洗顔も面倒になって、夜に化粧落としシートで顔を拭いて寝る毎日になった。 スキンケアもなにもない。今、人生で1番顔がざらざらしている。

 もともと自分で自分の面倒を見るのが苦手だった。大学生の頃は、ゴミ屋敷みたいな部屋で、パックのご飯に生卵をかけて食べていた。その生活が良くないという考えもあんまりなくて、汚い部屋に普通に友達を呼んでいたし、四角いご飯に丸い卵が乗っている様子に美を感じて毎食写真を撮っていた。そんな私がやっと化粧とかスキンケアとかができるようなった。週に一回部屋を掃除したり、毎朝のルーティンでヨガをしたり、自分のために手間をかけ生活を整えるための時間をとることが、やっとできるようになってきたのだ。それを今回の体調の悪化で全て台無しにしてしまっている。ルーティンは全部なくなって、部屋には物が散乱している。掃除はしばらくできていないし、洗濯物を畳むことができず、山積みの中からその日着る服を取っている。

 今までの休職期間でどんなふうに過ごしていたかもう覚えていないけど、こんなに怠惰に生活していただろうか。それだけ体調が悪いのか、私が甘えているだけなのか、よくわからない。早く元気になって全て元通りになってくれないだろうか。休職や退職を経験するたびに、戻りたいと思うけど、いつに戻りたいのかわからない。いつに戻って人生をやり直しても、結局同じことになりそうで、そんなこと考えても意味がないことを突きつけられる。実際戻れないわけだし、結局全て台無しになった自分のままそこに上書きしながら生きていくしかないのだ。

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