
療育花育の記録 ともくん#17
ともくんは、平成25年生まれ。障害名はついていません。いわゆるグレーゾーン。普通学級に通い、勉強も頑張りました。障害クラスにも入りました。
いきものが好きで、カマキリを飼ったり、抜け殻を収集したり、遺跡を掘りに行くのが好き。いろんないきものにとても興味があり、調べるのも得意。おともだちからは、いきもの博士と呼ばれることも。
ともくん 20241125 「クリスマスの表現」
終了後の経過について 親御さんから
17時過ぎに帰るとおばあちゃんちに行っていたので「用意せんと。」と言うと、「もう生けたよ。」と言いました。
家に帰ると、庭の花を切ってきて、ちゃんと花瓶に生けていました、そして花を飾るためのテーブルやホワイトボードを自ら持ってきて準備をしたかと思うと、急にやる気スイッチ入って、計算ドリルをやり始め、その後恐竜を飾って、早めにズームにつないで、友達からもらった沖縄のおみやげを飾ったり、
「クリスマスの花って言ってたよね。」と言うと「庭にクリスマスの花ないもん。」と言って、「おたすけこびとのクリスマス」という絵本を持って来て、「これでクリスマスだよ。」と言って飾ったのでした。
そして、「お母さんの絵も飾ってやろう。」と言い出し、私が昔描いた絵を持って来て飾り、その後も鼻歌を歌いながらいろいろ飾ったのでした。
いよいよ教室が始まって、先生が「もう生けてるの?」と聞いてくださると、飾っているものを手に持ってパソコンの画面に近づけて見て見てアピールをしたり。
「お花買ってきたの?」と聞いてくださると、「家にあったの。」と言ってお花を生けた花瓶を画面越しに持って来て先生に見せていました。
「飾り付けもしたの?すごいね。」「何飾ったの?」
「花しか知らん。けいとう」
「葉っぱは、どこにあったの?」「庭」「かわいいね。」
「木だよ。天ぷらにしたらおいしいよ。」
「食べれる葉っぱだね。」
「びんがあってるね。背の高いものがあうよ。」
「いつから準備したの?」
「分からない。」
「どれくらいかかったの?30分位?1時間位?」
「分かんない。」
「素敵だね。いい感じだね。たくさんいっぱい飾ったね。」
と褒めてくださり、私の描いたラピュタの絵の話題にも触れてくださいました。
すると急に「おなかすいた。ご飯食べよう。」と言い出し、いつも気分でものをいうところがあるので困るなあと思います。
「自分で花瓶に水を汲んで自分でやったの?」と聞いてくださると「お水やったよ。」と言うと「えらい!!よし!!上手に生けてる。OKです!。」と言ってくださりご挨拶をして終わりました。
最後に「後片付けもしてね。」と言ってくださいました。
ちゃんと片づけしました。
特に今回、準備片づけがスムーズにずいぶんできるようになったなあと感じました。あっという間に終わりました。
花育教室療育対応のテキストの1、あいさつ へんじ あとしまつ
2、花はいきもの
3、いのちのありよう
4、慈しみのこころを育む を意識してやりましたとお話してくださいました。
1は必ず意識して、それに加味したとのこと。
そしてこんなことが大事ということをお話してくださいました。
いのち同士のマナーを覚える。身につける。
体感で身につけるようにする。
お互いが畏敬の念をもって花と向き合う、いのちと向き合う、真剣に向き合うことを心がける。
口の中でものをくちゃくちゃするのはダメ。(以前そんなことがありました。)とも君は注意して納得したらできる子。
一つ一つ、その瞬間に言わないと分からない。
たまたま瞬間があったので良かったと。
とも君の特徴としては、とも君は飾りを置くことを重きにおいている。
花にも意識向けてあげると良いけど、強制ではないので長い目でやっていく。
とも君は学校で頑張って疲れているから一人の時間ももつのも良い。
とも君の嫌だという言葉については、感情、感覚があって嫌だなのだが、とも君の嫌だは本当の嫌だではない。
いろんな嫌があると思う。嫌だと言いながら、嫌ではない。疲れたので嫌だなのか、眠たいから嫌だなのか、遊びたいから嫌だなのか。
とも君は語彙が少ないので、そのところを親御さんが深く感じとってあげて、言葉に変換してあげないといけないよとアドバイスをいただきました。
あっ確かにそうだなと思いました。
いつも教室が嫌だ嫌だというので、お花を生けることがもう嫌になったのかと思いがちなのですが、元気な時や先生が来てくださったときは楽しく生けていたので、花育教室が嫌なのではなくて、理由があって、教室が嫌だ嫌だになってるということなんだろうなと思いました。
とも君の本当の理由まで深く聞いてあげれてない自分に気付きました。
もっと聞いてあげて、言葉にしてあげて、だからそうなんだね、そしてどうするのが良いか考えてあげなければいけないと思いました。
今回も良い気付きがありました。こうやって客観時に見てもらってアドバイスをもらえることって大切だなと思いました。
次回から心得ていきたいと思います。ありがとうございました。
今まで生けたお花のミイラ(ドライフラワー)とそのお花の一部を使って先生が作ってくださった作品ですが少し前に「どうするの?」と聞くと、一月のとんどで燃やすと言いました。
ついに火葬される日が来そうです。
写真記録





前回を踏まえた検証と考察
次回はXmasという「テーマ」を提案してみたので、何を彼が準備するのか楽観察。テーマを提案してみるのは初めての事。
花は庭のものだったが、きちんと名前も知っていた。
クリスマスは、背景の本で表現していた。
投げ掛けたことは、促せば出来ている。
素晴らしいな、と感動した。
印象記録
始まった時には、準備も作品も完成させていた。
誰も側で見守っていなくても、ひとりの時間の中で、準備も完成させることも出来るようになった。
現場から
あいさつ、返事、後始末の次の、「いのち同士のマナー」のステップへ進んでみよう、と思っていたところ、
ちょうど始まった際に、お菓子を食べながらだったため、
「食べながら、お口になにか入っているまま、花に向き合ったら、花が可哀想だよ、花に向き合うときは、
お口のものを終わらせてからにしましょう。」
と言ってみた。
彼は、素直に、
食べ終わり次第、オンラインのカメラの前の私に向かって、
佇まいを整えた。
次回考察
お正月に皆で祝う花、というテーマを出してみた。
―to be continued
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