ともくんは、平成25年生まれ。
障害名はついていません。いわゆるグレーゾーン。
普通学級に1年通い、勉強も頑張りました。
2年生からは、障害クラスに入り、お母さんもともくんものびのびたのしく生活できるように少しづつなってきました。
いきものが好きで、カマキリを飼ったり、抜け殻を収集したり、遺跡を掘りに行くのが好き。いろんないきものにとても興味があり、調べるのも得意。
おともだちからは、いきもの博士と呼ばれることも。
2023 0821「自主性」
親御さんから
写真記録
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前回を踏まえた 検証と考察
印象記録
>①教室が始まる前の40分前になって、奇跡が起こりました。急に「お母さんお花とってくる。」と言って、自分でハサミを持ってお外に出て行き、お庭のお花を自分で切って切り花にして帰ってきたのです。
記憶があった。
潜在的なやる気はあった。
なにをどうして準備したらよいかの反復記憶の回想が行われ、一度体験したことがなんらかの(身体からか細胞からか頭脳からか)蘇ったのではないか。
>②「枯れてないよ。生きてるよ。」
やはり、彼の世界の中での生命の死生観の基準がある。
>③私的にはもう良いんじゃないかなと思ったのですが、先生もとことんつきあって調べてくださったおかげで、
彼の中では終わっていない。興味探求を中途半端にすることは、その後のすべてのがそのような感覚で癖付けされてしまうことになりかねないため、癖がつく環境を改善済。生きる力を育む環境とルーティン。
>④次の日、声掛けするとすぐにボールの水と水切りした茎や葉を後始末できた
彼の納得感はどこにあるのかを探る
>⑤「白い花(てっせん)が先生の言った通り、白いフワフワが出てきたよ。」って言ってました。>⑥「お花どうする?」と言っても、いっこうに火葬も土葬もする気配なしでずっと飾っています。
枯れた生命への興味関心度が髙い。
前回
2 現場で
ともくんはとても眠そうにあくびをしていた。
なのに、切り花と向き合ったとたんの集中力はすざまじいモノがあった。
他の音も全く意に介さず、聞こえない位に。
いっしょに参加している話せない動けない障害を持つ方のうごめくような声にも全く反応なしに、目を輝かせながら、一点集中でもくもくと花をいけた。
ともくん、今日の花はどれが気にいっているの?と聞いた。黄色い花と答えた。
ひとつはコスモスだったが、もう一つの花がわからない、となった途端、彼は急にせきをきったように調べ始める。
植物図鑑を持ってきて調べ、写真を撮って母の携帯で調べ、私はその興味を持った彼に、最後まで付き合う覚悟をし、私の本棚にある花の辞典を駆使。いっしょに調べた。
英語ではなく中東の国の文字で名前が出てきて苦戦していたが、それでもわからないので、母親が「また今度」といったので、それを私は制止して続けた。
ここは、最後まで付き合うところ。これを最後までできた、という体験をするかしないかで、心地よさ、達成感、次への興味、粘り強さや後始末ができるできない、何かに対して結果をだせるかどうかの生きる力や忍耐力を養うきっかけとなるだろう、と、ふと思った。
私の携帯も駆使し、やっと見つけた。
外国品種で、明治時代に日本に来た花だった。
ともくんは、何度も何度も花の名前を声に出していた。外来種??と言って、今度は他の図鑑を持ってきて、私にブラックバスという魚の写真を見せてくれた。
4 次回考察
この2回では、彼はまだ自分の出せていなかった感性や感覚を出し切ろうと、表現という手段で私に語り掛けているように感じた。
出し切るまでこのまま出し切らせてあげようと思う。
―to be continued