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何もしたくない日

 「今日は何もしなかった」。

「何もしなかった」。私の定義は、差し迫っていることをやらなかった、スマホとパソコンをだらだらと見ていた日のこと。

 子どもの頃、母親が買っている雑誌をよく読んでいた。その雑誌の連載に、「女子には何もできない日が月に一度来るのだ」と書いている作家がいた。詩人だったかもしれない。7歳の私にも何となくわかる気がした。女子だからというか、「何をやってもだめな日」は月に1度くらいの感覚で来る。19歳を過ぎたあたりからその感覚はどんどん濃くなってきた。

 その作家は「そういう日はだいたい朝からまずい」と書いていた。これも当てはまる。朝から身体が重い。体重や着ているものの重さではなく、感覚としてずっしりと重い。だから、「今日は休憩しよう」と思えばいいのにそれもできない。起きているのだから、1日あるのだから何かしなければ!と思ってやりかけの課題を開くのに、結局「5分だけ」とか言いながらヤフーニュースやツイッターを見ている。同じく集中できない人や、「やる気がない時があって当たり前!」と言う人の書き込みを見つけると安心する。身近な人あるいは逆に有名な人が言うほど安心度はあがる。なんで、Youtubeの広告は30秒でもイライラするのにネットサーフィンをしていると30分も経っているんだろう??ここで「あー自分はだめだ」と自己嫌悪に陥り、自己嫌悪している自分に猛烈にイライラし、イライラを鎮めるために何か食べ、食べた自分になんか腹が立つ。これが「何もできない日・何をやってもだめな日」のパターンだ。「こんな感じなら映画でも観てれば良かった……」といつも思うのに、最初は「課題やらないと」と必ず考える。メリハリをつけるのが下手といえばそれまでだけれど。

対策

私なりに対策を考えてみた。


・散歩

 散歩。行くまではすごく面倒くさいのに行くと必ずすっきりする魔法。最近は田房永子さんの『キレる私をやめたい』に書いてあった「今ここにいる」をやりながら歩いている(「木」「電柱」など目に入るものを心の中で呟くことで「今」に気持ちを集中させて落ち着く方法)。イライラしても歩いていると発散できる。

・SNSを見ない

 「SNSはジャンクフード」と書き込みを見つけて、言い得て妙だと思った。見ていると止められなくなる。さらに、怒りなどがけっこうダイレクトに伝わってくるので自分も怒ったり、見出しや抜粋だけでニュースが理解できた気になったりするので疲れている時は危険。そのため、私は一々ログアウトして、書き込みたい時だけログインすることにしている。

・『ルーキー・イヤーブック』を読む

今日久しぶりに開いたらすごく面白かった。タヴィ・ケヴィンソン運営のオンラインマガジンを書籍化したもの。写真とファッションが素敵で、映画監督へのインタビュー、田舎町で生きていく方法、ミランダ・ジュライがフェミニストになった日等々、内容が最高。見ているだけで気分が良くなる。

・ 映画を観る

どうしようもなくなったら映画を観る。Youtubeやドラマだと永遠に抜けられないため、実は2~3時間の映画の方が、1本は長くともすっきりするのではないかと思っている。前に1日中ドラマを観ていたらけっこう疲れた。たいていは日本語か逆に全く知らない言語の映画を観る。

・大声で歌う

一人で一軒家暮らしでない限り難しいのであまりやらないけれど……。友人で、何かしながらよく歌っている人がいた。その人の日々がなぜかミュージカルのように楽しそうに見えて、私もたまに真似している。

・本を読む

 ミランダ・ジュライや津村記久子の小説を読む。2人とも、「なんでもない日」がやけにおかしく哀しく見えてくる小説を書いているから。


こういう日や、冴えて全く眠れない日、他の人はどうしているのだろう?
そういえばあの作家の対処方法は「甘いものを食べる、もしくは甘いもののレシピを読む」でした。

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