![見出し画像](https://assets.st-note.com/production/uploads/images/27153355/rectangle_large_type_2_1ac7ffcca36cb29bec838d8da94104e7.jpg?width=1200)
3月のアイスまんじゅう
寒いのになぁと思いつつも、口にほおばる。
さっきまで青空が広がっていたのに、今や車の外ではあられが降っている。どうにもお腹の弱い私は、内心不安に思いながらも、ほおばる。
お、おいしい。
![画像1](https://assets.st-note.com/production/uploads/images/27154116/picture_pc_173149d773c081abb7465259af89e19c.jpg?width=1200)
ギ、ギルティ…!
それが私のアイスまんじゅうとの出会いでした。
◇
2019年の3月、私は福島に行きました。
今思うと、新型コロナウイルスが日本で流行りだす、本当に直前くらいの
時期。語り部さんのツアーに参加しに行ったのでした。
これは、そのツアーのお昼ご飯の時のお話。
![画像2](https://assets.st-note.com/production/uploads/images/27157836/picture_pc_24b25fc9d4686ed8a8c44a3457c14964.jpg?width=1200)
浪江町名物、なみえ焼そばを食べた後、
語り部さんがデザートにおごってくれた、アイスまんじゅう。
◇
![画像3](https://assets.st-note.com/production/uploads/images/27184177/picture_pc_f00292407bf85eab3a5e9d3d96a4240c.jpg?width=1200)
皆さん、見てください。このフォルム。
ピノを巨大化したような?いや、きのこの山を巨大化したような?
かわいらしい形を。ちなみに上から見ると、梅の花のようです。
(.....急いで撮ったら暗い雰囲気になってしまったのは、ご愛敬)
アイス部分に牛乳を50%も使ったアイスまんじゅう。
ほのかな牛乳の香りとともに、優しい甘さが口にひんやりと広がります。
私は甘いものがどちらかと言えば苦手なのですが、
アイスまんじゅうの主張しすぎないあの甘さは、程よく舌に合いました。
![画像4](https://assets.st-note.com/production/uploads/images/27185850/picture_pc_27c480217a98d726ee4643a1e2690b93.jpg?width=1200)
アイスまんじゅうの中心部分を構成するのが、この練り餡です。
しっとりとした餡、外側のアイス。
この組み合わせに勝るものはないでしょう。
舌に触れたら溶けだす練り餡、少し遅れて溶けだす外側のアイス部分....
そして、いつの間にか、
私の手元には木のスティックしか残っていませんでした。
◇
しかも、手造り。
このアイスまんじゅう、一つ一つ手造りされているのです。
福島県に拠点を置く松永牛乳さんが作られています。福島県の太平洋側に
位置する、相馬地区や二葉地区を中心に親しまれているそう。
真心こめて作られているのでしょう。
60年以上も親しまれ続けたその味には、誰にもまねできない優しい甘さが
込められていました。
そして、「せっかく来てくれたから」とおごってくれた、
語り部さんの優しさも。
![画像5](https://assets.st-note.com/production/uploads/images/27236194/picture_pc_7e6c3fe57f2bbd795edbd4b7c7841bac.jpg?width=1200)
いつの間にか現れた太陽が、フロントガラスについた滴に反射します。
お腹の不安もどこへやら。
浪江町と、語り部さんと、私と、アイスまんじゅうと。
3月の福島は、冷たくて、甘くて、優しい味がしました。
◇
補足:松永牛乳さんのアイスまんじゅうは、基本福島でしか出会えませんが、ネット通販やふるさと納税などで購入できます。便利な世界!