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金木犀

「またあなたがやってくることは分かっている。だからこそこの想い出は忘れない。」

秋空うつる木々の中で
訪れる季節を染める

風鈴の音が揺らぐ
線香の煙は空に消えて
蝉の轟きは過ぎ去った 

路地裏から見える金木犀
スウィートな香りは
どこか君に似ている
薄れて消えゆく前に
大きく息を吸い込んで
次にまた通るまで 
覚えているよ

髪についた花びらを
手でそっと、そっと、払った

木枯らしが頬を掠め
澄みわたる空 幕を閉じて
人の足並みは早まった

窓際から見える金木犀
スウィートな香りは
どこか君に似ている
薄れて忘れる前に
大きく息を吸い込んで
秋にまた会う日まで
覚えているよ

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