コール&レスポンス
音楽は人と人を繋ぐ橋である。
とはどの偉人の言葉であったか覚えていない。
というか今私が考えた言葉であるが、なんとなくそれっぽい。どうでしょう。
一人で始めた音が、二人になり合奏となり、三人四人と増えるにしたがってより多くの人の心を結びつけていく。
それは演奏する側だけの話ではない。
演奏する側と聞き入る観客側という図式でも同じことが成り立つ。
今回は演奏する側と客側だけど演奏に参加した結果生まれる感動的な『コール&レスポンス』を紹介したいと思う。
別々のファンが生んだ奇跡のコール
日本では古くから見られるアイドルソングとファンによるコール。
これは近年になればなるほどアイドルソングの間では半ば常識となりつつあり、中でもハロープロジェクト系列(以下ハロプロ)のライブでは名物となっているものもある。
あるときにハロプロではないあるグループの楽曲がリリースされた。
今では日本中が知るほど有名となった曲、DA PUMPの『U.S.A.』という楽曲だ。
この曲は元々30年ほど前1992年にイタリアで発売された曲であり、DA PUMPはカバーしたのだが、その特徴的な曲調やキレのある歌詞、そして何より特徴的な振付によって発表直後から大注目されていた曲だった。
そんななかハロプロファンの一人が曲を気に入りコールを入れるとしたらこんな風か?といった書き込みを行った際に、DA PUMPのファンがそれを見つけ「他のメンバーの名前も出してほしい」など話題となり、両方のグループのファンを巻き込んだ盛り上がりとなった。
( ^ω^)当初はハロプロファン内の身内向けで書いてたが、盛り上がりすぎてDA PUMPのメンバー本人たちにも見つかってました。
U.S.A.のリリースが決まり各地でのリリースイベントを迎え、両方のファンが作ったコールは少しづつしかし着実に流行っていきました。
そしてとある日のリリースイベント日にその時はやってきた。
その日のリリイベの場所は偶然にもモーニング娘。のイベントの会場でもあり、DA PAMPを一目見ようとDA PAMPのファンのみならず多くのハロオタの方々も会場に足を運んでいました。
そして始まる曲。
そしてどうなったかは・・・
大成功です。
この場に集まったDA PAMP、DA PAMPファンとそしてハロオタの全員が一つとなり素晴らしいコールを作り上げていました。
個人的には”落ちサビ(最後のサビの前に挿入される、楽器の音量を落としボーカルを目立たせたサビ)でのコールは厳禁”というコール界隈では常識となっている点が微妙に厳守されてないのも素晴らしい。
なぜならコールをしていたのが普段コールに慣れているハロオタだけではなく、現地の会場にいたなんだったら事前の話を何も知らない人が落ちサビでコールをしていたからかもしれないから。
それだけの会場の一体感を作り上げたという点は、まさに現代のインターネットの世界が生んだ芸術品といえるでしょう。
完璧に統率された王国民
現代には世界中に王制を敷いた王国が数多くある。
グスタフ王によるスウェーデン王国やワンチュク龍王が君臨するブータン王国など多数ある。
その中に国際的には認められていないが、国民たちの絶大な支持を受け完璧な統制を強いる王国がある。
声優の田村ゆかり率いるゆかり王国である。
元々はライブ中に発した一言が元ではあるが、建国時(2004年)当初の勢いは凄まじく、声優界隈の話題にほとんど興味のない私にもその名が轟くほどだった。
彼らファンである王国民は統率されたといったがこれはライブでの非常にコールが上手いということを指している。
一つの例を挙げよう。
ライブを控えたラジオでの話。
次のライブで歌う歌はm.o.v.eのラップ担当のmotsu氏が楽曲内でラップで参加している歌だった。
motsuさんいないときどうするの?と問われた田村ゆかりはこう答えた。
「みんな(王国民)がmotsuさんのとこやる」
と。
それを聞いた王国民は奮起した。
我らの姫が歌うステージでラップがいないとの孤独を味合わせてはいかぬ、と。
しかしこの曲は未だリリース前なので、このラジオで流れた一回のみ。
そして迎えたライブ
*この時のライブ映像探したけど見つからんかったので、別ライブですが
1万人の王国民のラップでの大合唱という、前代未聞のコールが行われた。
正直この話を聞き後に映像で確認した時は、余りの衝撃に鳥肌を越え薄ら涙すら流れた。いやほんとに。
世界一可愛いと田村ゆかりを慕う王国民の結束は、鉄よりも硬かったことが証明されたのである。
ちなみにmotsu氏が来てても関係なく全員で大合唱する
motsu氏もラップパートを横浜アリーナの観客みんなで大合唱は経験なかっただろうから楽しかったでしょうね。
音楽を愛する者同士
ここまでは演者と観客という組み合わせであったが、まだ紹介したいのはある。
それは音楽を知る者同士が突発的に心が通じあう瞬間である。
そうして生まれた曲は心を震わせるのに必要なメンターは全て揃っていると思う。
https://www.youtube.com/watch?v=iX-fDdVGIH0&ab_channel=EmilioPiano
ヴィヴァルディの四季より『冬』
エスカレーターからストラディバリ持って弾きながら降りてくるとか劇的すぎる。
https://www.youtube.com/watch?v=jrGrU-CEmsE&ab_channel=Van
曲の始まった瞬間の反応の速さが凄い。
( ^ω^)俺なら見逃しちゃうね。
https://www.youtube.com/watch?v=dmnvizaUEzA&
懐かしのさなゑちゃん。
この時代はこういう自由があった。
後書き
同じ目線に立ち練習してきた音楽ももちろんいいけど、目線の違う者同士で生まれる音楽も素晴らしいということを少しでも広められたら幸いです。
( ^ω^)私もいつかストリートピアノで参加してみたい、いつか、きっと、遠い未来で、たぶん無理。
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