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【小説】高嶺ときみ【3】
校庭でサッカー部の模擬試合をしているのか
女子の黄色い声援が飛び交う。
私もどこかの部活に寄って来ればよかった。
春妃はもう教室に戻ってるかな?
今日は部室には寄らないって言ってたし
みんなが戻るまで話しながら暇潰そう〜
そんなことを思いながら教室へ入る
ガラガラガラ
まだ誰も戻っていなかった。
窓を開けっ放しにしていた為か
桜の花びらがいくつも
風に乗って教室へ届いていて、
私の席は1番後
【小説】高嶺ときみ【2】
体育館がわいわいと賑わっている
今日は、新1年生の歓迎祭だ。
歓迎祭といっても、
何か特別なことをする訳ではない
毎度お馴染みの校長先生の
なが〜い良いお話を聞いてから
部活の紹介がある。
でも、その部活紹介がまた斬新で
体育館だけではなく、
サッカー部は校庭、美術部は美術室など
その部活特有の場所で活動の様子を
見ることができるのだ。
この日の為に、特別な演出をするところも
あれば簡単に説明
【小説】高嶺ときみ【1】
私の通う高校には
一際目立つ大きな桜の木がある
何百年という時間を過ごしている
都内でも有名な桜の木。
その桜の木の下で全てを満たすとき
告白をすると必ず成功する。
といったジンクスがある
成功する条件は3つあり、
1、必ず桜の咲いている時期であること。
2、時間は早朝から陽が沈むまで
3、ブローチの交換が済んでいること
ブローチというのは
入学当初に配られる花の形のバッチのことだ。
人それ