10代のためのテクノロジーの居場所「まぜテクネ」プレオープン中
わたしは、テクノロジーの居場所「まぜテクネ」を運営しています。
2月から3月にかけてはプレオープンということで、毎週土曜日10:00-17:00に10代が自由に来館し、デジタルイラストやVtuber制作、3D制作などのテクノロジー創作活動を楽しんでいます。
今日は、そんなプレオープン中のまぜテクネの様子をご紹介します。実際にまぜテクネに来館した気分で楽しんでいただければと思います。
開館前
ここが、まぜテクネのある場所。福井県あわら市の新郷小学校です。長閑な田園風景の中に佇むこの学校は、少子化の影響で5年ほど前に休校となり、現在はさまざまな地域活動の拠点となっています。まぜテクネは、その一室を使わせていただきながら運営しています。
正面玄関から入ってすぐ右側に、まぜテクネの入り口があります。かつて職員室・校長室として使われていた場所を利用しています。看板は、学校で廃材となっていたものを再利用。看板のイラストは、AIに書いてもらいました。
入り口を開けるとこんな様子。かつて職員室だった面影を残しながら、10代がさまざまなテクノロジー創作ができる居場所となっています。PCやiPadの他に、3Dプリンターや音楽制作機材もあります。
ちょっと余談ですが、奥の黒板に見えるまぜテクネのロゴは、プロジェクターで投影したものをチョークでなぞって描きました。良いアイディアです。
開館中〜デジタルイラスト〜
とある土曜日の、午前10時30分。この日最初の来館者がやってきました。定位置に座って、iPadでのイラスト制作を開始。家ではYouTube動画でイラストの勉強をしているんだとか。
まぜテクネでは作成したイラストを、このようにキーホルダーにすることもできます。デバイス上で作ったイラストが、具体的なグッズになるのは嬉しいですよね。
そうこうしている間に、イラスト好きな10代が続々と集まってきました。スタッフとVtuberやボカロの話題で盛り上がりながら、楽しくイラストを描いています。
出来上がったキーホルダーがこちら。イラストの完成度の高さにスタッフも驚きです。一人で黙々とイラストを描く時間も良いですが、同じ趣味をもつ仲間とのイラスト制作も楽しそうです。
開館中〜Vtuber制作〜
お昼過ぎ、中学生がやってきました。まぜテクネのもう一つの人気コンテンツにVtuber制作があります。こちらの生徒は、AIで出力したキャラクターをVtuber化させています。
小学生もVtuberづくりに取り組んでいます。こちらの児童は、自分で作成したキャラクターをVtuber化しています。Vtuber制作には、PhotoShopとLive2Dという二つのアプリを使用。かなり難易度が高いアプリなのですが、好きなものに対する10代の探究心は本当にすごくて、着実にイメージに近づけていきます。
分からないところがあれば、適宜スタッフがサポートします。スタッフはただ教えるという立場ではなく、一緒に調べていく伴走者のようなイメージ。好きなことの探求に寄り添ってくれる人がいるのは、心強いし嬉しいことですよね。
開館中〜3D制作〜
一つ前の写真にちらっと写っていた、黄色と水色の小さな物体。あれ実は、3Dプリンターで作成したフィギュアです。
3Dで最初からイメージ通りのものをモデリングするのは大変な作業なので、公開されている作品を変換して、サイズ調整などをしながらプリンターで印刷します。
3D制作にはプラスチックのフィラメントを使用するのですが、単色でしか印刷できないので、ただ出力しただけだとこんな感じ。
これだけでも十分かわいいのですが、専用のペンを使って色付けすることで、自分のオリジナリティを出すことができ、愛着が何倍にも膨らみます。つくった作品は、家に持ち帰ってもらえます。
開館中〜VR体験など〜
その他にも、ちょっと休憩がてらにVR体験などもできます。仮想空間の中でイラストを描いたり、デザインしてみたり。
こちらの10代は、仮想空間の中に描いた炎で暖をとっているとのこと。発想がすごい。
その他にも、音楽制作ができる機材やアプリを準備中で、ボカロ制作なども今後コンテンツとして追加予定。レーザーカッターも導入予定で、いま人気のアクリルスタンドなんか作れるといいなと想像しています。
17:00になり、まぜテクネも閉館。それぞれが自分の家へと帰っていきます。この日が10代にとって、有意義な1日となっていたらと思います。
最後に、この居場所への想い
最後に、少しだけこの居場所への想いを記録したいと思います。わたしがまぜテクネを運営をしていくにあたり、大切にしていきたいことの一つに、「本質を見る」ということがあります。
まぜテクネは、定期的に活動を評価する必要があります。そして、その指標の主たるものに、来館者数や登録者数などの「数字」があります。指標はそれだけではないとはいえ、目標値があるとどうしてもその数字を追ってしまいたくなるものです。
私たちスタッフも、来館者数が多い日は嬉しいですし、それは居場所の価値を示してくれるものの一つになるでしょう。
けれど、数字では見えないところにこそ、本質的な意味があると思うのです。そして、そのような見えない部分を、このnoteに記録していきたいと思っています。
ここに来てくれる10代は、本当に良い顔をする瞬間があります。
それは一瞬のことですぐに消えてしまうけれど、ここに書いておけば記憶から完全に消えることはない。どれだけの人がこのnoteを見るのかは分からないけれど、それでもいいのです。
いつでもページを開けばここにあるという事実がわたしにとっては大切で、まぜテクネに来てくれた10代や関わってくれる大人、そしてここでの出来事が消えてしまわないように、いつでも思い出せるように。
そんな想いをのせて、このnoteを書き続けていこうと思います。