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神様のカルテ

私が好きな本を好きなように語るシリーズPart2

前回は"かたつむり食堂"を語りましたが、
今回は名作"神様のカルテ"を語ります。
最初にいいます、今回は長くなります。


作:夏川草介

シリーズは、
神様のカルテ、2、3、エピソード0、新章と
ありそのどれもが名作です。


無論、単行本で全て集めるほど
大好きな作品。


神様のカルテに出会ったのは
確か中学1年生の冬でした。


丁度弁論大会という
学校の行事があり、ネタ探しで向かった
本屋さんで表紙買い。
絵が可愛かったから中身も見ずに。


今思えばなんともドラマチックな作品との
出会いですが、当時は読み始めて
「あ、失敗した」と思いました。

元々本を読むのは好きなタイプですが、
開いてパラパラ読むや否や、
古風な口調で進む全文。
医療物ならではの専門用語のオンパレード。
おまけに主人公栗原一止は変わり者ときたもんだ。

中学1年の私には早かった。
情報過多で脳内パンク。
数ページ読んでそのまま珍しく本を熟成させる
ことにしました。

…。

かっこよく言いましたが、
飽きてしまいそのまま放置でした。


それから1年。

当時から大好きだった嵐の櫻井翔さんが
なにやら映画をやるとのこと。
その作品名が神様のカルテ。

あれ?これって…
と、本棚から熟成が解かれた瞬間でした。


櫻井くんが映画でやる作品なら先に
読んでおくかと再び読み始め、
最初はやはり専門用語と古風な口調に
苦戦しましたが、読み進めるうちに


あれ?面白いぞ??
この作品好きだぞ???


と、いつの間にか1晩で読破。
読み終わった時の感動は今まで出会った本で
過去1番でした。


それからずっと神様のカルテの
大ファンとなり今に至るのです。


この作品は最初こそ難しいのか?と
思ってしまいますが、読み始めると
テンポもいいし、所々のギャグ的な
やり取りもいい。
そしてしっかり感動できるし、
考えさせられます。



なにより、作品の登場人物がみんないい。

個性強めのキャラクター達ですが、
愛のある素敵な人。


魅力的なキャラクターの中でも
1番私は、主人公栗原一止の妻である
栗原榛名、通称ハルが大好きです。

大好きといいますか大尊敬です。


優しく穏やかでありながら
しっかり1本筋が通った女性像は
まさに理想です。


作品のキャラクターという枠を越えて
私はハルさんみたいな女性になりたいと
心から思っています。


まだまだハルさんには程遠いけれど
毎日心のどこかにハルさんをイメージして
過ごせたら、少し背筋が伸びるような
日々が豊かになるような、そんな気がします。


今回noteを書くにあたって
何十回も読んだ神様のカルテをもう一度
読み直しましたが
年齢を重ねたこともあり、
ますます作品への愛が深まりました。


今の自分の仕事柄、
専門用語を難なく理解出来るようになり
一止の葛藤がより身近に感じられるように
なりました。

どんな福祉でも医療でも、付き纏うビジネス。
上からは常に金、金、金。
過労で悲鳴が上がれば、効率化を図れ、
技術を上げろ、分担しろ。
出来るならもうやってるよ。

そんな現実社会で現場の人間は
どれだけ人に寄り添えるのか。


寄り添いたい、救いたいという気持ちだけじゃ
どうにもならないこともある。


人に優しくって本当に難しい。
自分に余裕がなくちゃ中々できません。
でも、やるんです。
それが仕事だから。
使命感と責任感と
自分自身のプライドがあるから。


でも、そうやって仕事に身を置いている間
自分の周りの人には
果たして寄り添えているのか?


一止の気持ちが苦しいほどわかる。


きっと今の日本ってこんな葛藤を
抱いている人が多いと思うから、
多くの人に読んでみて頂きたい。
特に私と同じ歳くらいの方々に。


私の宝物の物語。


神様のカルテです。


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ハル


今日のひとこと
久しぶりにnote書いたら
大ボリュームになりました。





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