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【紹介文&感想】プロパガンダゲーム/根本聡一郎

前半ネタバレなしの紹介文、後半ネタバレありの感想文です。
Kindle Unlimitedで読めるので読もうか悩んでいる人も見てみてください。

〜あらすじ〜
「君たちには、この戦争を正しいと思わせてほしい。そのための手段は問わない」大手広告代理店「電央堂」の就職試験を勝ちあがった大学生8名。彼らに課された最終選考の課題は、宣伝によって仮想国家の国民を戦争に導けるかどうかを競うゲームだった。勝敗の行方やいかに、そしてこの最終選考の真の目的とは?――先の読めないゲーム展開と衝撃のラストが、宣伝広告の本質、ネット社会における民主主義とはなにかを読者に問いかける。アマゾン電子書籍の人気作を大幅改稿した完全版!

プロパガンダゲーム 本の説明 

◎面白いポイント
・スピード感
・ゲームの戦略や駆け引き

◎どんな気持ちで読み進められるか
・緊迫感
・じっくり考察
・考えさせられる

どんな戦略で戦うのか、
自分だったらどうするだろうと考えながら読み進められます。
テンポよくゲームが進み、チーム間の攻防が繰り広げられるので、まるでドラマを見ているようでした。
ラストにかけての展開は考えさせられることも多く、読み応えがあります。

◎おすすめする人
・広告系の企業で働く人、働きたい人
・スピード感のある頭脳戦をみたい人
・ネット社会における民主主義とは、報道の本質とはというテーマに興味がある人

続きの展開が気になるのでスピード感を持って読めます。
政治とは、マスコミとは、など普段考えないテーマを考えるきっかけにはなりそうです。もともとそのテーマに興味のある人にもおすすめです。

あんまり興味ない私みたいな人でも頭脳戦の緊迫感や、各々の戦略とかは見ていて面白かったです。ライヤーゲームとか人狼好きな人は好きそうな印象があります。




















※※ここからネタバレありの感想文です※※
考察とか深いことはわからないので、
映画見終わった後にカフェで友達と感想語り合うくらいの気持ちで見てください。

始めは選考を通じた人間模様とか考え方を見る物語なのかなと思っていましたが、そんな単純な話ではなかったです。

まず選考パートについて。
誰がスパイかは全然分からなかったので、正体が分かった時とその巧妙さに衝撃を受けました。
自分がこのゲーム参加してたら…と思いながら読んでいましたが、その立ち回りはできないなぁと感心するばかり。

ゲームの本質を理解するのも遅かったです。
香坂さんが言っていたよくわかってない大衆に向けて何を発信するかも大切な観点でしたが、気づけなかった…。
初動の動き、ポイントの使い方、どんな広報をするか、どれをとっても2時間という時間制限の中で思いつくものではないと思いました。
考え込む時間もない中決断しなければいけない。
自分だったらそういう焦りもあると思うのに、学生たちはテンポよく考えて作戦を打ち出していて本当に頭が良いんだなと思いました。

学生ごと個性が出てくるのも面白かったです。
正しいものは正しい、勝つためにどうするか、
思想が入り混じる中自分だったらを考えだすと止まらなかったです。
ただ続きが気になりすぎて深く考える前に読み切ってしまったので、そこはちょっと反省。

選考パート後について
ここから何が…?と思っていて展開が読めなかったのでドキドキしながら読み進めました。

選考を受けたそれぞれの学生が何を受け取ってどう行動にうつすか、だったと思いますが、
個人的には香坂さん、織笠さん、越智さんの考えが印象に残っています。(本筋とは違う気もしますが)
私は大きな視点で物事を見るのが得意ではなく、自ら何かを変えたいという強い思いや課題感もないです。
自分の気持ちや人の気持ちに寄り添って考えてしまうタイプで、今ある枠組みの中で自分は何ができるのかを探す方が得意です。
だから3人の考えが自分に近いと感じたのかなと思います。

あとの5人について。
それぞれ想いがあり新たなプロパガンダゲームを始めたんだと思いますが、こちらは個人的に感情移入しにくく一回読んだだけでは深掘りできていないです。
もしこの辺りを読んで思うことがあったり、こういうことだと思うよ!など考えがあればコメントもらえると嬉しいです。

ただ猜疑心に苛まれたまま物語を読み進めていたので、個人的に石川さんが怪しくてならないです…
中盤電央堂の上役と意見が食い違う場面はありますが、それだけで裏切って学生側につくか?と。
もっと激しく反発するシーンやマスメディアに反発する気持ちが強く伝わる描写があればすんなり納得したかもしれませんが、通しての描写だけだとそこまでする理由は…?となってしまいました。(細かく描写されているのを読み取れていないのかも。)

学生たちが、
「自由な報道をする」
という芯の部分で突然登場してきた石川さんの言う通りになってるところを気になります。
対等な立場で議論できないなら保護者と子供。
彼らが思う通りにメディアを立ち上げていけるのか、
石川に乗っ取られてしまわないか、
この辺りが気になる終わり方でした。

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