読書感想〜犬のかたちをしているもの〜
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『犬のかたちをしているもの』
高瀬隼子
タイトルからはまったく想像していなかった内容で、読み始めは驚きました笑
結婚・出産・セックス・男女差・家族・働くと言うこと、そして愛情、様々な事に様々な価値観があって、どれも明確な正解なんかないのに、誰かとの折り合いをつけながら答えを出していく私たち。
特に出産に関しては難しいですよね。性別によって出来る出来ないにハッキリ線引きされてる行為だから、どうしても捉え方がズレてしまう。
そのズレに対して主人公の薫は葛藤しているけれど、どこかで冷めているようにも思えました。
物語を読んでいると、みんな葛藤や思いやりがありそうだけど、根底には自分が中心な考え方だなと感じた。
思い合ってる、分かり合ってるフリだけして、ホントは私もそうなんだろうな…
薫は実家にいた犬への想いこそが「愛」であると思っている。打算なく掛け替えのないもの。だからパートナーへの疑問が生じる。これは「犬のかたちをしているもの」なのかどうかと。
目の前のモノを曇らせる考え方だなぁ
面白い!とか、読んで救いを得られた!と言う類の話ではないかな。でも、読んだ人の数だけ捉え方・感じ方がある作品だと思いました。
自分の根底には何があるのかを考えるきっかけになりました。