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第11章 やめる 短編小説|ぼくの人生
後渉はうちに帰って思った。
「もう、マラソンやめようか。おれなんて・・・。」
「やっ、おれののびしろを信じるしかない。」
ー 後渉は次の試合でも負けた。
後渉は毎回そんなことをして一週間が経った。
後渉は家の天井をながめて言った。
「フ、フフフ、もうあの頃とは違う。追いつけない。周りの人間に。」
でも、もう世界が見てる。
自分を・・・。
今更・・・。
後渉はテレビに出てマラソンをやめることを日本に、いや、世界に言った。
スタッフさんがこう言った。
「向こうの連絡だと、11月30日までにやめるかやめないか考えていいらしいですよ。」
今日は11月26日だ。
後渉は気楽に、
「はい。」
と言った。
「俺のマラソン人生なんて消え去っていったんだ・・・。」
家の窓から下を見下ろすと、マラソン練習をしている見上が見えた。
「なつかしいなぁ。」
後渉は見上が聞いているわけでもないのに、こう言った。
「ありがとう、今まで。」
携帯を見ると、弟の理笑からこういうLINEが来ていた。
おにいちゃん、マラソンやめないで!!
後渉は ハッとして、あの時のスタッフさんのところへ行った。
「あの、ぼく、マラソン続けることにしました!今からでも大丈夫ですか?」
「はい、大丈夫ですよ。」
「ありがとう!」
後渉は膝に手をおろして息を切らした。
ぼくは何度かこれで良かったのだろうかと思った。
「つい・・・理笑に・・・引っ張られ・・・・。」
次回予告「最終章 人生をまた」
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第1章からはここで読めるよ
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