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作り手の顔が見える暮らしの豊かさ

名古屋の下町で暮らし始めて丸2年が経ちました。引っ越してきてからまちのおもしろさは感じつつも、テンションの上がるおしゃれな飲食店や雑貨屋さんなどはあまり無くて、なんとなく物足りなさを感じていました。

でも、最近はそんなまちでの暮らしがけっこう気に入っています。近所には昔ながらの個人商店や車の入れない細い路地がたくさんあって、ご近所づきあいもあります。

昨日は夫とともに近くにあるお餅屋さん兼和菓子屋さんに予約していたお餅を取りに行き、おばあちゃんがやっている布団屋さんで座布団を買い、惣菜屋さんで揚げ物を買い…という個人店巡りをしました。

最近和菓子屋さんに週1ペースで行っているので、「この前のお茶会どうだった?」と声を掛けてくれるようになり、ちょっとした立ち話にほっこり☺️(先日友人ら5人と1年の振り返り会をする時に、一緒に和菓子屋さんにおやつを買いに行ったことを「お茶会」と呼んでくれている)

布団屋さんのおばあちゃんとも「寒いわね」「もう今年も3日しかないのね!」とおしゃべりしたり、「座布団を作る職人さんが高齢になって、来年からはもう作れなくなった」と、業界事情をお聞きしたり。(布団職人はいるけど、座布団は小さいから特に難しく担い手が少ないそう。いろんなところに後継者不足の問題が…!)

ほかにも近くにあるのは魚屋さんや肉屋さん、銭湯、お茶屋さん、和菓子屋(7軒くらい!)など。もう少し歩くと渋い商店街もあってとてもたのしいです。地下鉄も通っていて便利なエリアですが、徒歩圏内にいろんな個人商店が集まっています🫶

あちこち寄り道しながらついに帰宅。買ってきたお餅を調理します。まずは包丁で食べやすいサイズにカット。

買ってきたお餅
包丁で12個にカット

先日、近所の乾物屋さんで買ったかつおぶしで出汁を取り、お雑煮を作ります。ちなみに乾物屋さんのお店の2階で削っているらしく、近くを通るとかつおのいい匂いがします☺️

母方の実家のお雑煮はかつおぶしと味噌とお餅だけというシンプルなレシピ。寒くなると無性に食べたくなる味で、再現してみました!

かつおぶしがたっぷりのお雑煮に。

味噌は石川県輪島市の谷川醸造さんのものを。能登半島地震で蔵が倒壊してしまったのですが、奇跡的に味噌や醤油の一部は無事でいまも作り続けられています。やさしい味がしっくりきて、リピートしています◎

いちごは頂き物で、愛知県豊田市で無農薬で手間暇かけて育てられた美岳小屋さんのもの。大粒でしっかり甘いいちごでした🍓

こうして作り手が見えるものをいただくってすごく豊かだなと感じました。もちろん便利なのでスーパーも使いますが、食を通していろんな人の顔を思い出す暮らしって心が温かくなるなと思います。

ほかの買い物も同じで、座布団を使いながらきっと布団屋さんのおばあちゃんのことも思い出すし、お茶を飲みながらお茶屋さんのことを思い出す。生活に使えるお金にも限りがあるので、できるだけ自分が好きなものや応援したいと思えるお店で買い物したいなと思います。

* * *

そんな名古屋の下町で、たまに本のある場所を開いています。お茶を飲んだり本を読んだり、まったり過ごせる古民家スペースで、Instagramでひっそりと告知をしています。
来年は近隣のお店や細い路地などを巡るまち歩きも企画しようと思っているので、よければ遊びにきてくださいね🙌

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