自分たちの場を大切に育てていく
1年ほど前から、夫とふたりで場づくりをしています。古民家であたたかいお茶を淹れて、本を読んだり書き物をしたり自由に過ごせる場所。
カフェのような私設図書館のようなコミュニティスペースのような、一言では表すのが難しい輪郭がふんわりとした場所。
いろんな人に来てほしい思いはあるけど、自分たちにとって安心できて心地いい場所にしていきたいので、あまり大々的に告知はしていません。
オープン日は不定期なうえ、月に数回ペース。住所を明かしておらずGoogleマップにも載せていないので、お客さんからしたら不親切極まりない！
(今日来てくれたお客さんに、呼ばれた人だけがたどり着ける神社みたいって言われた笑)
それでも友達や知人、友達の友達、近所の人などじわじわ足を運んでくれる人が増えていて。これまでに誰も来ない日も何度かあったけど、続けてきたことで遠方からわざわざ来てくれる方や二度三度と通ってくださる方も。
当初はカフェと雑貨屋としてオープンすることを考えていましたが、まずは小さくリスクを取らない方法で場を開いてみることにしました。
ほかの仕事をしながら、無理のない範囲で場を開く。本のある場所とお茶が好きなので、自分たちの蔵書を自由に読めるようにして、お茶をセルフサービスで楽しんでもらうスタイルにしました。時間制で入場料をいただきます。
DIYが終わってから開けようと言っていたけど、仕事をしながらだと終わる気配がない。夫と話して、途中だけどとりあえず開けてみよう！と2023年12月にお試しオープンを始めました。
はじめは月に1回、そこからは月に数回ペースで場を開くことを続けて、これまでに25回オープンしました。古民家の落ち着く場を求めている人は一定数いると感じているし、自分たちの好きな「急須でお茶を淹れる」という行為も楽しんでもらえている。
ごはん会や本を読む日、キャリアのもやもや座談会など、イベントも何度か企画しました。人が集まることもあったし、集客に苦戦することも。近くのお店が出前をしてくれるので、居合わせたお客さんと一緒にちゃぶ台を囲んでごはんを食べることもありました。何事も実験です。
わたしも夫もあまり前に出て目立ちたいタイプではなく、裏方に回ることが多い方。自分たちの居心地いい場を作って、来た人が「落ち着く」と言ってくれたりまったり過ごしてくれたりするととても嬉しく思います。お客さんとおしゃべりすることもあるし、お客さん同士が自然と話をする場面もあって、いい場に育ってきたなあと感じています。
先日、12月末にオープンした時は、同時に5組6人が来てくれて席が足りなくなるほどでした。小さな空間なのでそんなにたくさんの人が来てくれる想定はしていなかったのでびっくり。
年末の帰省に合わせて寄ってくださる方、本を読みに来てくれた方、インスタで見つけて来てくれた方など、いろんなきっかけで足を運んでくれてとてもうれしかった…！
過ごし方も本を読む人、おしゃべりする人、書き物をする人、仕事をする人…などさまざま。同じ空間にいる人たちが交流してもしなくてもいい。来た人が思いおもいに心地よく過ごせるといいなと思っていたので、まさに目指していた景色を見ることができました。心の中では飛び上がりたい気持ちだったのを抑えて、じんわり「うれしい〜〜」と思いながら時間を過ごしていました。
これまではほかの仕事を優先していて、どうしても片手間になっている現状がありました。まだ空間も整えたいところはたくさんあるし、サービスも増やしていきたい。自分たちが来てほしいと思っている人に向けて、場を伝えられるようなツールも作りたい(ショップカードとか)。
周辺には肉屋さん、魚屋さん、和菓子屋さんなどの個人商店がたくさんあるので、名古屋の下町のおもしろさも伝えたい。まち歩きも企画したいし、マップもリリースしたい。
料金もお試しオープンを始めた時から改訂できていないので、無理なく続けていくためにも価値をつけて適正な価格に見直したいと思います。
お茶屋さんのほうじ茶がセルフサービスで何杯でも楽しめて、おやつもある。お湯も鉄瓶で沸かしている。Wi-Fiもあって本も読み放題で2時間500円でやっています。
最初はニーズもわからなかったから、お金をいただくのも申し訳ないという気持ちでしたが、振り返るとかなりの破格だったなと思います…！
こだわっていることもたくさんあるけど、まだ発信できていないことが多いです。奥でひっそり古本やZINEの販売もしているのに告知しきれていないし、いろいろもったいない！ちゃんと価値を言葉にしていきたいです。
自分たちにとって心地いい場を大切に育てていく。時間はかかるかもしれないけど、今年は力を入れて進めていこうと思います。
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場づくりの詳細はこちら👇
名古屋の下町、迷路みたいな路地の中にある古民家スペース。もし興味があれば遊びに来てくださいね◎